社会人として企業で勤める上で、「昇進したい」「部下をマネジメントする課長を目指したい」など目標を持って働いている人は多いと思います。
管理職である課長になるのは簡単なことではなく、ある程度資質が求められます。また、大企業だと40代でも課長になれない場合があります。
この記事では、課長になれる人の特徴、課長になるためにすべきことや心得、大企業だと40代でも課長になれないのか、課長になりたくない人がやるべきことを詳しく紹介します。
目次
課長と係長の違いとは
課長は、一つの課全体をまとめる管理職を指します。「管理本部人事課」といったように一般的に「部」の下に置かれます。課長は「〇〇課」の業務と部下をまとめるリーダーとしての役割を担っています。
係長は、その名の通り係のリーダーとしての役職を指します。一般的に「係」は「課」の下に置かれ「管理本部人事課採用係」というような組織区分になります。
課長の管理下に係長がおり、課長は課全体の業務と人員の管理をする、係長はチームのリーダーをするという責任や判断などのレベルに大きな差があります。
課長と部長の違いとは
会社組織はピラミッド型になっており、一番下に一般社員、次に主任、その次に係長など役職がついて昇進すると人数が少なくなっていきます。役職の序列は課長と部長だと部長の方が上になります。
課長は、現場の責任者として直接部下に指示を出したり、業務に関わったりしてプロジェクトを実行する役割があります。
部長は、「部」全体の責任者であり最終的な意思決定を担います。課長のように業務に直接関わることはなく、会社を経営する側に属し部署の方向性や戦略を考える立場になります。
課長になれる人の特徴
課長は現場の責任者として業務や部下をマネジメントする役割を担うため、一般社員とは異なるスキルが必要になります。企業に勤めながら仕事をしているだけでは残念ながら課長になることはできません。
ここからは、課長になれる人の特徴を紹介します。
人望が厚い
課長になれる人は人望が厚いという特徴があります。課長になると多くの部下を管理しながら課の目標を達成させなければなりません。
人望の有無が仕事の結果に差を生み出すと言っても過言ではありません。部下を思いやることを忘れない課長であれば、自然と部下もついていきますし、一生懸命仕事をしようと思えるのです。
コミュニケーション能力が高い
課長になれる人の特徴は、コミュニケーション能力が高く他者と意思疎通ができることです。たとえば、周囲に自ら積極的に働きかけることで職場の雰囲気を良くし、信頼関係を築くことで、部下が自主的に行動しやすい環境を作り出します。
課長になると業務を円滑に進めるために、部下を上手に取り扱う必要があり、コミュニケーション能力は必須であると言えます。
自らPDCAサイクルを回す
課長になれる人の特徴は、自らPDCAサイクルを回すことができます。業務の計画を立て、行動に移し、課題を見つけて改善するという一連の流れを自らおこないます。
課全体の目標を達成するために、部下よりも先に問題点を発見し改善する必要があり、状況に応じて的確に指示を出せるようにしておかなければならないからです。
決断や判断が早い
仕事をする中で大なり小なり誰しもがプレッシャーを感じる場面があると思いまが、
課長になれる人の特徴は、物事の決断や判断が早いことが挙げられます。
役職に応じて重要な決断や判断を迫られる機会が増えるため、失敗を恐れずに臨機応変に対応するスキルが求められるのです。
中長期的な視点を持っている
課長になれる人は、中長期的な視点を持って先を見据える能力に長けているという特徴を持っています。目の前の仕事に追われている以上、課長のポストに就くのは難しいです。
課長に昇進する人は、常に先のことを考え逆算することで、現在すべきことを把握できるのです。プロジェクトが一つ終われば良しではなく、結果を出し続けるためにはどうしたら良いのかを長い目で考えています。
課長になったらできること
課長になったら、課全体の業務や部下の管理などの仕事がメインになります。目標を達成するために部下の力が必要不可欠であり、課全体を上手にまとめ、導いていくことが重要になります。
ここからは、課長になったらできることを5つ紹介します。
業務の管理
課長になったらできることは、業務の管理です。課全体でいくつもプロジェクトを同時に進行させていることは珍しくなく、問題や遅延などが発生していないのかを個人と課全体両方の業務管理に目を光らせる必要があります。
課長になると、全体を俯瞰し進捗確認をおこない、都度訂正を加えてプロジェクトの成功を目指していきます。
部下の管理
課長になったら、部下の管理をすることができます。まずは、部下が会社に来てパフォーマンスを発揮できるように、勤怠管理をおこなう必要があります。
また、モチベーション管理も大切であり、体調やメンタル不調の社員はいないか確認しケアしなければなりません。勤怠管理もモチベーション管理も課全体の目標を達成するために重要なポイントです。
部下の教育と指導
課長になったらできることに、部下の教育と指導が挙げられます。部下が成長しスキルアップすると課全体の底上げに繋がり、成果を出しやすくなります。
部下が独り立ちするまでには苦労もありますが、部下の教育と指導に力を入れることで課の評価が高まっていくのです。
部下の評価
課長になったら、部下の評価を決める重大な仕事に関わることになります。給料や昇給など、部下の生活やキャリアに関する重要な決定を下さなければならないのです。
適正に評価するためにも、常日頃から部下の仕事中の様子を確認し、業務遂行レベルや人間性など十分に把握することが必要です。
対外的な仕事
課長になったら、課の代表として対外的な仕事に携わる機会が増えるでしょう。たとえば、進行中のプロジェクトで必要に応じて交渉したり、問題解決をしたりする役割を果たす必要があります。
また、他の課とスムーズに仕事を進めていくためにも、課長としてコミュニケーションを取り情報共有をすることも大切な仕事の一つです。
課長になるにはどうしたらいい?
名実ともに管理職の仲間入りができる「課長」という役職には、どうしたらなれるのでしょうか。「もっと責任のある仕事がしたい」「認められたい」などさまざまな理由から課長を目指している人にとって気になるポイントですよね。
ここからは、課長になるにはどうしたらいいのか5つ紹介します。
仕事ができる
課長になるためには、仕事ができることが大前提です。引き受けた仕事を求められている以上で納品する、コミュニケーション能力が高いなど一定の成果を出していない人材を経営層は課長にしません。
仕事ができず指示だけ出している課長だと、「何もしないのに偉そうに命令してくる」など部下から不平不満を生み出すことが予想されます。そのため、仕事ができることが最低限必要であると言えます。
人間力を磨く
課長になるためには、人間力を磨いていきましょう。人間力とは、自立した一人の人間として生きていくための総合的な力であり、知的能力、対人関係能力、意欲や忍耐力などの高さを指します。
課長は部下の管理やマネジメントをする役割があるため、他人の手本になる人間力の高い人材が適任であると言えるのです。
論理的思考を身に付ける
課長になるためには、論理的思考を身に付ける必要があります。物事を構造化し、体系立てて捉える能力に長けていると、因果関係から状況判断を的確におこない分析して問題解決に導くことができるからです。
課長として道筋が通っている分かりやすい説明は、部下に安心感や納得感をもたらし仕事の効率がアップします。
ストレス耐性が高い
課長になるためには、ストレス耐性が高い必要があります。課長は管理職であるため、上層部と部下の間で板挟みになる場合が多く、考えている以上にストレスが溜まります。
上手に間を取り持つ調整役になる必要があり、精神的に弱い人や打たれ弱い人は課長には向いてないと言えます。さまざまなストレスの発散方法を探しておき、溜め込まないようにする必要があります。
傾聴できる
課長になるためには、傾聴スキルが求められます。クライアントとの取引、部下との面談、上層部との打ち合わせなど、相手の意見に共感しながら理解する必要があるからです。
話を聞きながら声のトーンや表情も確認し、相手の立場に立つことを意識することが重要です。相手への敬意やあなたの真剣さが伝わると、対話がスムーズに進む可能性が高いからです。
課長の心得
社会人として会社に貢献し、いつかは課長になりたいと思って日夜一生懸命仕事をしている人は多いと思います。目標を持って働くことは毎日のモチベーションに繋がり良い結果をもたらします。
ここからは、課長の心得を5つ紹介します。課長になる前にしっかりと心構えをしておきましょう。
自分磨きを怠らない
課長の心得として、自分磨きを怠らないことです。課長というポジションに慢心することなく、成長意欲を持って仕事に取り組む意識が大切です。
人を管理する立場であるため、知識、スキル、教養を常にアップデートする必要があります。課長が成長意欲が高いと部下にも伝染し、全体の士気が上がっていきます。
社内外で相談できる相手を見つけておく
課長の心得として、社内外で相談できる相手を見つけておくと良いでしょう。尊敬できるメンターのような存在がいると、さまざま問題に対して客観的なアドバイスをもらうことができます。
人生経験豊富で尊敬できる先輩を探し、直接相談できる関係性を築いていきましょう。
風通しの良い職場環境を整える
課長の心得として、風通しの良い職場環境を整えることが大切です。程よいプレッシャーは部下に責任感を持たせるためには有効的ですが、あまり圧力をかけると「失敗は許されない」「相談ができない」と感じさせてしまいます。
小さなことでも相談できたり、気軽に話せる雰囲気を作ったりし、風通しの良い環境を整えることが大切です。
責任を取る覚悟を持つ
課長の心得として、責任を取る覚悟を持つことが必要です。部下が新しいことに挑戦すると良い結果が生まれる反面、失敗や問題が生じる可能性もあります。
部下が自分らしく働けるようにミスが許容され、何か問題が起きた時に課長が責任を取るために動く組織だと部下は安心して働くことができます。「どんなことでも責任を取るから」と部下の背中を押せることは、課長のあるべき姿と言えますね。
率先して有給を消化する
課長の心得として、率先して有給を消化していきましょう。近年は有給消化率を上げるために、有給奨励日がある企業も増えています。しかし、他の日に課長が有給を取らないと部下は休みにくさを感じてしまいます。
課長が見本となって有給を消化し、オンオフつけた働き方ができると部下も働きやすさを感じることができるでしょう。
大企業だと40代でも課長になれない?
近年の日本は、昇進年齢が上がっており、特に大企業だと40代でも課長になれない場合があります。想像以上に昇進することが難しくなっている現状があると言うことです。
かつての大企業は年功序列制度が存在し、年齢を重ねるとそれなりの役職に就くことができました。しかし、近年経済の停滞が原因で役職が減っている状態が長年続いています。
また、定年時期が延長されていることで上司が退職せず、数少ない役職の大半を占めています。そのため、若い世代に役職が回ってこず、係長クラスで止まっている人も多いのです。
いくら頑張っても役職に就けず、賃金も上がらない状態が続くとモチベーションが低下してしまいますよね。一つの会社に縛られず、他の会社に転職し、課長になれる道を模索しても良いかもしれません。
課長なりたくない人がやるべきこと
出世意欲がある人もいれば、反対にない人も当然います。責任や人間関係のストレスが増える可能性の高いため、「課長に昇進したくない」と考えている人は多いでしょう。
ここからは、課長になりたくない人がやるべきことを5つ紹介します。
残業をなるべくしない
課長になりたくない人は、残業をなるべくしないようにしましょう。世の中の風潮は変わってきてはいますが、まだまだ残業を美徳と考える人たちはいます。
遅くまで残って仕事をしていると会社のために貢献している人と評価を高めてしまう可能性があります。残業を極力避けて仕事を進めるのが無難と言えます。
悪い印象を与えない断り方を考えておく
課長になりたくない人がやるべきことは、悪い印象を与えない断り方を考えておくことです。上司からの出世の誘いを断り、気まずくならずに同じ会社で働き続けるためにも重要です。
課長にならないと決めているのであれば、ネガティブにならないように「今の仕事でスペシャリストを目指していきたいです」といった前向きな姿勢での断り文句を考えておくと良いでしょう。
出世願望がないと周りに伝える
課長になりたくない人は、出世願望がないことを周りに伝えるべきです。仕事を一生懸命やっているという前提で、周囲に意思表示をし続けることが重要です。不真面目な人が言ったら反感を買うだけなので注意してください。
会社はなるべく意欲のある人を出世させたいと考えています。そのため、「一般社員でいたい」とアピールするのは良い方法であると言えます。
飲み会になるべく参加しない
課長になりたくない人は、飲み会になるべく参加しないようにすると良いです。なぜなら、出世する人は、上司から可愛がられる傾向が高く、飲み会で親睦を深めているケースが多いからです。
上司と仲良くなり気に入られると出世コースに乗る可能性が高くなります。必要以上に仲良くならないためにも飲み会には参加しないようにしましょう。参加せざるを得ない時は、存在感を消すようにすると良いです。
気を利かせない
課長になりたくない人がやるべきことは、気を利かせないことです。社内で大なり小なりおこる問題の解決に首を突っ込むと「〇〇さんって気が利く」と評価が上がります。
気が利く人=面倒見の良い人なので課長候補に名前が上がってしまう可能性があります。そのため、仕事は真面目に取り組むけど気は利かない人でいましょう。
部下に尊敬される課長を目指していきましょう
課長になれる人の特徴、課長になるためにすべきことや心得、大企業だと40代でも課長になれないのか、課長になりたくない人がやるべきことを紹介しました。
企業で働いている以上、評価されて出世したいと考えるのは当たり前の気持ちです。課長になるために、仕事で成果を出しつつ、人間力を磨く努力をしてください。この記事を参考にして、部下に尊敬される課長を目指していきましょう。