子どもの成績やテストの結果に一喜一憂したり習い事をたくさんさせたり、あるいは幼少期から勉強漬けの毎日を送らせるような教育ママ、あなたの周りにもいませんか?
子どもの将来のためを想って教育に力を入れたいと考える親は多いでしょう。
とはいえあまりにも力が入りすぎると、返って子供に悪影響を及ぼす可能性も出てきます。
今回はそんな教育ママの特徴や心理、失敗する教育ママの原因や教育ママの末路をご紹介します。
目次
教育ママの特徴
教育ママと呼ばれる母親たちは、とにかく教育熱心です。
勉強はもちろん、スポーツや芸術などとにかく自分の子どもの才能を伸ばすことに全力を注いでおり、どんな苦労も惜しみません。
いったい教育ママにはどのような特徴があるのでしょうか。
子どもに対して厳しい
教育ママの多くは躾にきびしく、決して子どもを甘やかしたりはしません。
厳しいしつけは子どものためと考えていますが、子供の気持ちや感情は無視されてしまいます。
子どもは母親を恐れて一時は言うことを聞くでしょうが、本心では深く傷ついているかもしれません。
学歴にこだわりを持っている
学歴に異常なこだわりを持つ教育ママも多く存在します。
低学歴ではろくな仕事にもつけないという思い込みがあるため、子どもを何としてでも高学歴な大人に育てようとしているのです。
母親自身が学歴で苦労した経験を持っている場合も多く、同じ思いを子どもにさせたくないと考えているのかもしれません。
子どもに対して過保護で過干渉
教育ママは子どもに対して過保護に接する場合が多く、過干渉気味な傾向があります。
子どもが失敗しないように先回りして手助けする場合も多く、新しいことにチャレンジする機会を奪いかねません。
失敗させるくらいなら最初から上手くいく方法を教えたほうが、効率よく教育できると考えているのでしょう。
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完璧主義者
完璧主義者の教育ママも珍しくありません。
テストで100点以外は0点と同じ、スポーツで1位以外は価値がない、そんな極端な考えを持っています。
常にNo1を目指すよう子どもに言い聞かせており、No1意外だった場合は努力が足りないと叱責します。
子どもが努力した過程を評価することは一切なく、どんな時も結果にしか興味がありません。
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プライドが高く見栄っ張り
教育ママの中にはプライドが高く、見栄っ張りな性格の持ち主も多いものです。
近所の○○ちゃんはテストが100点だったとか、△△君はかけっこで1位だったとか、とにかく誰かと比較して、それより自分の子どもが優れていなければ気がすみません。
子どものためというよりは、まるで自分自身の満足のために教育熱心になっているかのようです。
教育ママの心理
子育てに教育は欠かせません。
子どもの将来に関わることですから、親が教育熱心になるのも理解ができます。
しかし中には子どものためと言いつつ、自分の見栄や欲のために過剰に子どもに期待してしまう親も存在するのです。
今回は教育ママの心理についてご紹介します。
子どもの選択を少しでも広げてあげたい
学歴が全てじゃないと言われることもありますが、学歴がなければつけない職業はたくさんあります。
将来子どもが「あれやってみたい」と思った時、迷わずチャレンジするためにはある程度の学歴が必要な場合も出てくるでしょう。
そんな時に選択枠を少しでも増やしてあげたいという想いから、教育に力を入れている母親は多いものです。
社会的に成功してほしい
人によって成功の定義はマチマチですが、教育ママの多くは良い大学・良い会社に入ることこそ成功への道だと考えています。
そのためには小さいころから塾や習い事に通い、しっかりと勉強しなければいけません。
社会的な成功こそが子どもの幸せであり、幸せになってほしいからこそ教育に力を入れているのです。
子どもに惨めな思いをさせたくない
教育ママの中には、自分自身が低学歴だったからこそ自分の子どもにはきちんとした教育を受けさせたいと考える人もたくさんいます。
自分が味わった惨めさを子どもには味あわせたくないという強い想いがあり、厳しく子どもに接してしまうこともあるでしょう。
根底には愛情があるのですが、学歴にこだわるあまり子どもには親の想いが伝わらないことも。
自分の理想に近づけたい
頭が良くなってほしい、スポーツ万能に育てたい、芸術的センスを磨いてほしい、自分の子どもにそんな理想を抱く親はたくさんいます。
現実は理想通りにいかないことが多いですが、教育ママと呼ばれる人たちは何としてでも自分の理想通りの子どもを育てたいと考えています。
自分の理想を子どもに押し付けてしまい、子どもから反発を受ける場合もあるでしょう。
自分が認められたい
周りから認められたいがために子どもに過剰な期待を抱く教育ママも、世の中にはたくさん存在します。
良い大学、良い会社に子どもが入ると、「こんなに立派に子育てしてすごいね」と両親は周囲から称賛されるでしょう。
学歴の高い子ども=自分の価値も上がると勘違いしており、自分の承認欲求のために子どもに過剰な期待をしているのです。
失敗する教育ママの原因
教育ママは子どものためを想って教育に力を入れている場合がほとんどです。
しかし残念ながら子どもに親の想いが伝わらず、自分が想像していたような結果にならない場合も多いのではないでしょうか。
今回は失敗する教育ママの原因をご紹介します。
子どもの自主性を奪ってしまう
教育ママは子どもがやりたい、挑戦してみたいと思っていることを尊重せず、自分が良いと思うことを押し付けてしまいがちです。
そのような方法では、子どもの自主性は育ちません。
自分で考える力がつかないので、誰かに指示をされないと動けない人間になってしまいます。
子供にプレッシャーを与える
教育ママは子どもに大きな期待をかけています。
その期待は子どもにとって大きなプレッシャーとなることでしょう。
過度なプレッシャーは子どもにとって重荷でしかなく、精神的に押しつぶされてしまう可能性も考えられます。
過度な期待は、子どもを追い詰める原因になりかねません。
子どもらしさを奪う
教育ママは躾にも厳しく、自分の思い通りに子どもをコントロールしようとします。
子どもは親に少しでも褒めてほしい、喜んでほしいと考えますから、自分のわがままや甘えたい気持ちをこらえて、少しでもいい子でいようとするはずです。
そうなれば子どもらしさや無邪気さはどんどん奪われていき、大人の顔色をいつもうかがうような子どもに育っていくでしょう。
子どもの自己肯定感が下がる
教育ママの多くは結果を重視します。
テストで100点をとる、かけっこで1位をとるといった結果にしか興味がありません。
結果を残せなければ、「どうしてできないのか」と子どもを叱るでしょう。
子どもは自分を責め、結果を残せない自分には価値がないんだと感じてしまいます。
ありのままの自分には愛される資格がない、母親に認めてもらえないと深く傷つくのです。
失敗させない
教育ママは過保護で、子どもに失敗させないよう先回りしてしまいます。
そのため子どもは失敗に免疫がなく、ちょっとしたミスやトラブルにも対応できない大人に育つ可能性がでてきます。
大人になれば、先回りして手助けしてくれる人はどこにもいません。
自分で考え、自ら行動するしか方法はないのです。
教育ママが後悔する瞬間
教育ママも子どもと良好な関係を保てているうちはいいですが、お互いの歯車がかみ合わなくなってしまえば、自分の思い描いた素晴らしい未来はやってこない可能性も出てきます。
そうなって初めて、「自分がやってきたことは間違っていたのか?」と後悔するかもしれません。
教育ママが後悔する瞬間とは、いったいどのような瞬間なのでしょうか。
子どもに自分の子育てを否定された時
子どものためを考えて、教育ママとして厳しく子育てしてきた母親はたくさんいます。
ところが、子どもにとって教育ママの情熱は重荷でしかありません。
自分の理想を押し付けてくる教育ママのやり方に反発することもあるでしょう。
教育ママは子どもに自分のやり方を否定された時、今までの教育方法を後悔するかもしれません。
周りからかわいそうと言われた時
多くの教育ママは子どもが小さいころから教育に力を入れています。
それを見た人から「そんな小さなころから勉強をさせられてかわいそう」と、心無い言葉をかけられる機会もあります。
母親や子ども本人が納得していれば問題ないのですが、やはりかわいそうと言われてしまうと、自分は間違っているのでは?と後悔することもあるでしょう。
子どもが大きくなってから後悔している時
小さい頃は教育ママの言われた通りに振る舞っていた子どもも、大きくなるにつれて自我が芽生えてきます。
そんな時、勉強や習い事ばかりしていて友達と遊んだ記憶もないような今までの生活を後悔するかもしれません。
母親としては子どもに良かれと思ってやってきたことですが、子どもが後悔している姿を見れば自分の心も痛むものです。
家族の思い出が何もない時
教育ママは子どもの教育に力を入れるあまり、家族としての思い出作りをおろそかにする傾向があります。
夏休みや冬休みは塾や習い事があるので家族で遊びにも行けませんし、クリスマスやお正月のような季節の行事も祝うひまがありません。
勉強、勉強ばかりで家族の楽しい思い出が何もないと気がついたとき、これでよかったのかと後悔することもあるでしょう。
自分には何もないと気がついた時
子どもに自分の全てをかけているような教育ママは危険です。
生活は子どもの教育一色で、他に興味が持てるものはありません。
そんな時ふとした瞬間、自分から子どもを取ったら何が残るんだろうと考えます。
子どもが自分の手を離れてしまった時、自分は中身のない空っぽな人間になってしまうのではと感じるでしょう。
子どもに依存するのではなく、自分の人生を歩むべきだったと後悔する瞬間です。
教育ママは毒親なのか?
教育ママが必ずしも毒親である、とは言い切れないのではないでしょうか。
子どもにとって、教育はなくてはならないものです。
ですから教育に力を入れたいと考える教育ママがいるのは当然ですし、高度な教育を受けたことで自分の夢が叶った、自分がやりたいことに挑戦できたというお子さんはたくさんいるはずです。
しかしながら子供の意志を無視して、親のエゴを押し付けている教育ママも確かに存在します。
親がいくら教育に力を入れることが子供のためと思っても、本人がそれを望まなければただのお節介です。
自分の見栄や欲望、間違った価値観を子どもに押し付けているのであれば、毒親と呼ばれても仕方がないのかもしれません。
教育ママの末路
教育ママは自分の価値観に絶対的な自信を持っているため、周りからの忠告や指摘になかなか耳を傾けようとしません。
中には教育熱心になるあまり、家族や友人から孤立してしまう教育ママも存在します。
今回は教育ママの末路をご紹介します。
家族に愛想をつかされる
多くの教育ママは、子どもの将来のためを想って教育に力を入れてきました。
ところが、家族にその想いが伝わらない場合もあるのです。
行き過ぎた教育熱心さは、残念ながら周りには受け入れられません。
家族からも愛想をつかされ、子どもの心も離れていくでしょう。
子供が不幸になる
教育ママの熱心さは、子どもの自立心を奪ってしまう可能性も。
母親に依存する、自分では何も選べない、指示がなければ行動できない、そんな大人になってしまうのです。
社会に出たら自分を守ってくれる母親はいません。
子どものためにと思ってやってきたことが、最終的には子どもの不幸につながってしまいます。
子離れができない
子どもはいつか成長し、親元を離れていくものです。
教育ママの多くはなかなかその現実が受け入れられないため、子離れできない人も多いのではないでしょうか。
心のどこかに、「この子には母親である私がついていないと」という想いがあるのかもしれません。
燃え尽き症候群になる
教育ママの努力が実り、子どもが立派に成長したとしましょう。
その時は達成感を感じるかもしれません。
しかし、今まで全てを注いできた子どもが自分の元から巣立ってしまったら、果たして教育ママには何が残るのでしょうか。
教育に力を入れること以外やりたいことが見つからず、燃え尽き症候群のように無気力になる可能性もあります。
自己肯定感が下がる
教育ママとして子どもの教育に熱心に取り組んだ結果、子どもが幸せになれたら素晴らしいことです。
反対に子どもが不幸になってしまったとしたら…。
「自分の育て方が悪かった」と自分を責めてしまい、自己肯定感がどんどん下がっていくでしょう。
自分も、そして子どもも辛い思いをする、最悪の結果になりかねません。
教育ママの全てが悪ではない
子どもの教育に力を入れている母親に対して「教育ママ」という言葉を使う時は、あまりいい意味ではありません。
子どもの自主性を奪いコントロールしようと考えるような教育ママは、確かに批判されて当然です。
とはいえ、子どもに教育の機会を与えるのは親の義務でもあります。
大切なことは子どもを否定しないこと、努力を認めること、そして子どものありのままの姿を受け入れることではないでしょうか。
自分が受け入れられていると感じた時、子どもは自分の力を大いに発揮するものです。