人から褒められることは、誰にとっても喜ばしいことでしょう。ただ、やたらと褒められ過ぎるとなんだか白々しく思えて、素直に嬉しいとは思えないものです。
褒め過ぎるのが逆効果ということに気づかずお世辞を並べ立ててしまう人は、一体どのような心理状態なのか疑問に思っている方も少なくはないでしょう。
今回は、人を褒める人について紹介していきます。
人を褒める人の特徴・心理や、人を褒める効果、更に、褒める人が信用できない時の対処法についても解説していきます。
目次
人を褒める人の特徴
人が他者を褒めるのは、素直な気持ちで褒めているパターンと、何かよこしまな気持ちがあって褒めているパターンの2つがあります。素直な気持ちで褒める人は内面が明るく朗らかで、裏があって褒める人は利己的なタイプと言えるでしょう。
ここでは、人を褒める人の特徴について詳しく解説していきます。
心に余裕がある
素直な気持ちで人のことを褒める人は、常に心に余裕を持っています。
人を褒められるのは、日々の生活が充実していて幸せだからこそです。幸せな人は他者の欠点に注目せず、長所を見つけてさらっと褒めることができるのです。このタイプは、情緒が安定したとても大人な人と言えるでしょう。
ポジティブ思考
人を真っ直ぐに褒められる人は、ポジティブ思考であることも特徴の1つです。
前向きな人は、人をけなすようなことを決して言ったりしません。欠点を指摘すれば相手を落ち込ませて、歩みを止めてしまうと分かっているからです。自分の周りの人達にも、明るく前向きでいて欲しいと思える優しさを持っているのでしょう。また、ポジティブな人は、他者の欠点でさえも長所に変換することができます。
八方美人
他者を必要以上に褒める人は、誰にでもいい顔をする八方美人なタイプと言えるでしょう。
八方美人な人は、明らかに仕事ができなかったり、仕事に対してのやる気が全く感じられない人など、誰からも褒められない人もオーバーに称賛するため、「わざとらしい」「しらじらしい」と周りの人から思われてしまいます。本人は周りから「良い人」と思われたいのに、完全に逆効果となってしまっているのです。
上から目線
他者を褒める人の中には、常に上から目線で誰かを見下していないと気が済まない性悪な人もいます。
このタイプは「人を評価する立場でいたい」という気持ちが強くて、本心で褒めているのではなく「褒めている自分」に酔っているだけなのです。
また、褒めるだけでなく時にはお説教のようなアドバイスをすることもあるでしょう。それも相手のためではなく、人の上に立った気になって優越感に浸りたいだけなのです。
劣等感が強い
「本当にすごいですよね…自分なんて全然ダメ…」このように、褒め言葉と共に自分を卑下するような発言をする人は、かなり劣等感が強いタイプと言えます。
劣等感が強く自分に自信がない人は、常に自分と他者を比較しています。そのため、褒めた後つい自分を蔑むネガティブ発言が出てしまい、褒められて嬉しい気持ちになるはずの相手のテンションを逆に下げてしまうという残念な結果となるのです。
他人を褒められる人の心理
他人を素直に褒めるというのは、簡単なようで誰にでもできることではありません。何となく照れくさくて躊躇してしまう人が多い中、さらりと誰かを褒めることができる人は、とても心理状態が安定していて、人に対して思いやりを持って行動できるのでしょう。
ここでは、他人を褒められる人の心理について解説していきます。
相手を喜ばせたい
他人を素直に褒める人は、褒めることによって相手を喜ばせてあげたいという気持ちを持っている場合があります。
喜ばせたいという気持ちで褒めるのは、相手に好意を持っているからです。異性として好きな人や、友人や同僚として大切に思っている人の笑顔が見たいのでしょう。
場の雰囲気を良くしたい
場の雰囲気を良くしたいという気持ちで、積極的に他人の良いところを褒める人もいるでしょう。
欠点を指摘してばかりいると、職場でもプライベートでも場の雰囲気は確実に悪くなってしまいます。和やかで明るい環境づくりを心掛けている人は、人を褒めるなどのポジティブな発言を自ら積極的にしていきます。
謙虚な気持ちを持っている
人のことを素直な気持ちで褒められる人は、基本的にとても謙虚な気持ちを持っています。
「自分の方が能力が高い」「自分が一番優れている」そのような傲慢な気持ちが一切なく、だからといって自分を卑下しているわけでもありません。純粋で向上心があるからこそ、素直に人をリスペクトできるのでしょう。
人の長所だけを見るべきだと思っている
他者を褒められる人は、人の長所だけを見るべきであると心掛けています。
ついつい人の短所ばかりに目を向け、悪口や陰口を言ってしまう…そんな人は少なくありません。ただ、そんなことを繰り返していると、自分自身の心を汚すことに繋がります。清々しい気持ちで毎日を送りたいから、人の長所を沢山発見して、素直にそれを本人に伝えていこうと考えているのでしょう。
人を嫌な気持ちにさせたくない
他人をけなしたりすると絶対的に相手を嫌な気持ちにさせるし、言いすぎると深く傷つけてしまいます。人にそんな辛い思いを絶対させたくないと思っている人は、関わる人達にポジティブな言葉だけを投げかけようと決めているのです。
褒めるだけでなく、感謝や謝罪・労いの言葉なども積極的に言うことができるため、周りの人達からはかなり好印象をもたれます。
人を褒める効果
人を褒めるのは、単純に相手を喜ばせるだけでなく、さまざまな良い効果をもたらすことができます。褒めた相手だけでなく、自分自身にもプラスの影響を与えることができるでしょう。
ここでは、人を褒めることによってどのような効果があるのかを解説していきます。
良い印象を持たれやすい
人を褒めることによって、褒めた相手から「良い人」などの好印象を持たれるという効果があります。
何の裏表もなく心から尊敬され褒められることで、嫌な気持ちになる人はいないでしょう。それどころかとても嬉しい気持ちになり、褒めてくれた相手に対して「自分を褒めてくれたから間違いなく良い人」という気持ちが自然とわいてくるのです。
相手にやる気を与えられる
仕事に対して全くやる気が感じられない部下や同僚に、お説教をしてもあまり効果はありません。褒めることの方が、やる気を与えるには効果的なのです。
お説教されても仕方ない程ダラダラと仕事をする人は、叱られると余計にやる気をなくすというふてぶてしい性格をしています。このタイプは完全に褒められて伸びるタイプなので、少しでも良いところを見つけたらどんどん褒めてあげた方が良いです。
人間関係が円滑になる
人を褒めることでその場のムードが和やかになり、人間関係が円滑になるという素晴らしい効果もあります。
職場に怒りっぽい人や常にイライラしているタイプの人がいると、当然場の空気は悪くなり、それに比例して人間関係もギクシャクしてしまうでしょう。褒め上手で朗らかな人がいると、周りの皆の気持ちも和んで平和な人間関係を築けるのです。
自分自身も幸せな気持ちになる
人を褒めることには、相手を喜ばせることができたり、場の空気を良くするだけでなく、自分自身も幸せな気持ちになれるという効果もあります。
人が喜ぶようなポジティブな発言をしていると、単純に相手の笑顔を見れて嬉しい気持ちになります。嬉しさなどのプラスの感情をずっと感じていると、幸福感で心は満たされるでしょう。つまり、褒めることを続けていたら、自分も含め誰もが幸せな気持ちになれるということなのです。
恋愛関係に発展しやすい
好きな人を褒めると相手に好印象を与えるだけでなく、恋愛関係に発展しやすくなります。
異性から褒められると「もしかして好かれてるかも?」と期待する人は多いです。いつも褒められ続けていると相手のことを意識するようになり、気が付けば好きになっていた…なんてことはよくあるのです。好きな人を振り向かせるためのテクニックとして、褒めるという行動はとても役立つでしょう。
やたら褒めてくる人の心理
人から褒められるのは嬉しいことではありますが、やたらと褒められると「何か企みがあるのか?」という疑惑を持ってしまうのはごく自然なことでしょう。やたらと褒める人には、やはり何かしらの自分本位な考えがあるのは確かなのです。
ここでは、やたら褒めてくる人の心理について解説していきます。
気に入られたい
わざとらしいほどやたらと他者を褒める人は、「人に気に入られたい」という気持ちがとても強いです。
このような考えで人を褒めるのは、人に気に入られることでしか自分の価値を見い出せない承認欲求の強いタイプと言えます。また、職場で特定の上司だけやたらと褒める人の場合は、気に入られて優遇してもらおうと考えているのでしょう。
実は嫌味で言っている
わざとらしくやたら褒めてくる人は、実は褒めているように見せかけて嫌味で言っているというパターンもあります。
意地悪な人は、相手に本心が伝わるか伝わらないかのギリギリの言い回しで、皮肉たっぷりの褒め言葉を言います。例えば、仕事が遅い人に向かって「いつも丁寧に仕事するよね」「ご両親に優しく育ててもらったんだね」といった風に、褒め言葉のような言い回しで相手が不快になるような言葉を投げかけるのです。
ただの社交辞令
やたら褒めてくるのは、ただの社交辞令という場合もあります。
会社の上司や取引先の相手の機嫌を良くするために、「思ってないけどとりあえず褒めとこう」と考えることは誰にでもあるでしょう。また、あまり仲の良くない人と会話する時、とりあえず距離感を縮めるために相手の良いところを褒めるという人も沢山います。そのように、ただのコミュニケーションの一環で思ってなくても褒めるというのは、社会人にはよくあることなのです。
マウントをとっている
自分の力の強さを見せつけるために相手を褒めて、「あなたは評価される立場」と思い知らせようとしてる人もいるでしょう。
マウントをとる際に、相手をけなすような発言をして貶めようと考える人ばかりではないのです。褒めることによって力の差を見せつけ、確かな地位を築こうと考えるしたたかなタイプも存在します。
自分も褒めて欲しい
やたらと他者を褒める人の中には、実は「自分も褒めて欲しい」と望んでいる人が少なくありません。
このように思うタイプは、「褒めたらきっと褒め返してくれるはず」という期待を持っていて、思ってもないのに相手を褒めて自分が満たされようとするという、少々ずるい考えを持っています。全く自分に自信がないから、「誰かに認めて欲しい」と強く望むのです。
褒める人が信用できない時の対処法
「褒められて喜ぶべきなんだろうけど、なんだか信用できない…」そんな風に、嬉しいことのはずなのになぜか不快になってしまう時、どのように対処すれば心のモヤモヤが晴れるのか…と悩んでしまうでしょう。
そこで、ここでは褒める人が信用できない時の対処法を紹介していきます。
褒められてもサラッと流す
褒める人が信用できないのであれば、褒められてもサラッと軽く流すようにしましょう。
「何か裏があるのでは?」という勘は、当たっていることがほとんどです。いちいち相手にしてしまうとどんどん相手はあなたと距離を詰めてくるので、軽く「ありがとう」と伝えるだけにして話を終わらせましょう。
褒め返してあげる
褒められた時に褒め返してあげることで、相手は満足して去って行ってくれる可能性があります。
あなたを褒めた後に必ず「羨ましい」「自分にはできない」などとネガティブ発言をする人は、「褒め返して欲しい」と望んでいます。その願望に応えてあげれば、会話の時間を短縮することができるでしょう。
「そんなことないです」と否定してみる
相手が嫌味で褒めてきている…少しでもそう感じた時は、「そんなことないです」と否定してみましょう。
皮肉を込めてあなたを褒める人は、褒められて喜んでいるところを見て「単純なヤツ」と心の中でバカにしたいのです。相手の策に乗らず全面否定すると、「面白くない」と感じてあなたから離れていってくれるでしょう。
話をすぐにすり替える
明らかに本心ではないのにしつこく褒められて迷惑している時は、すぐに全く関係のない話題にすり替えるのが良い対処法です。
八方美人で誰にでも好かれたいと思っている人は、自分が褒めることで相手が喜んでいると感じるとしつこく褒め続ける傾向があります。しかし、人の反応をとても気にするので、話しをすり替えられると「嫌だったかな…」とすぐに勘付いて、それ以上あなたのことを褒めてくることはなくなります。
距離を置く
褒める人が信用できずどうしても不快感が拭えないのであれば、距離を置くのが最も良いでしょう。
相手が近づいてきたら何か用事を思い出したふりをしてその場を離れるなど、常に忙しそうにしておくことがポイントです。それを続けているうちに相手はあなたが避けていることを察し、自然と絡んでこなくなるでしょう。
褒める頻度には注意すべき
褒められることは基本的に嬉しいことではありますが、あまりにもしつこく褒められると大抵の人が不愉快な気持ちになってしまうでしょう。また、無意識のうちに過剰に人を褒めてしまっているのは、誰にでもあることなのです。
相手を不快にさせないために、褒める頻度には十分注意すべきです。1つのことを何度も何度も褒めるのはさすがにしつこすぎるので、1度褒めた事柄についてはできればもう2度と褒めないように心掛けると良いでしょう。