目次
感情表現が乏しい原因とは
羞恥心が強い
感情表現が乏しい人の多くは、恥ずかしがり屋です。
たとれば、何かうれしいことがあったとしましょう。
表現豊かな人はうれしい感情をすなおに表現し、人前で大喜びして見せます。
それを見ている人は、当然その人に注目するに違いありません。
まわりに多くの人がいれば、多くの人から注目を集めるわけですが、恥ずかしがり屋の人はそのように自分が目立つことを嫌います。
そのため、何かうれしいことがあっても、その感情を自分の中で押し殺して、外に出そうとはしません。
これは、喜怒哀楽、どの感情に関しても同じと考えていいでしょう。
悲しいことがあった時、涙でその悲しみを表現すれば、周囲の人の目が自分に向けられることになります。
恥ずかしがり屋の人は、そのように人に見られることが恥ずかしいために、泣きたい時でもその感情をこらえ、涙を見せないようにするのです。
つまり、「羞恥心が強い」というのが、感情表現が乏しい原因ということになるでしょう。
人に対する警戒心が強い
人に対する警戒心が強いというのも、感情表現が乏しくなる原因の一つです。
感情表現というのは、自分の心の中の状態を外に表すことです。
つまり、感情表現をすれば、その人の心の内がほかの人に知られることになるでしょう。
悲しそうな顔をしている人を見れば、人は「この人は何か悲しいこと、つらいことがあったに違いない」と思うわけです。
言い換えると、感情表現は自分の心の中を人前にさらけ出すことにほかなりません。
心の中をさらけ出すというのは、相手に対して安心感があって初めてできることでしょう。
「相手は自分のことをどう思っているかわからない。どんな人間なのかわからない」という警戒心があれば、無防備に自分をさらけ出すということはしないはずです。
感情表現が乏しい人の中には、そのように人を警戒するため、自分の心を隠そうとするケースが少なくありません。
感受性が弱い
感受性が強い人は、外部からの刺激に敏感に反応します。
たとえば、旅先で美しい景色を目に前にすると、その美しさに大きく心を動かされますから、その心の動きが自然に外に表れるのです。
感情表現が乏しい人は、それと反対と考えていいでしょう。
ふつうの人なら感動して、思わず「わー、きれい」と声を上げるような景色を見ても、心をほとんど動かされません。
「きれいだな」と感じることはあっても、その感じ方が人よりもきわめて弱いため、その心の動きが表に出るということはないのです。
感情表現が乏しい人には、人と同じように心の中は動いているのに、あえてそれを表現しようとしないケースもありますが、そもそも心が動かないというケースも少なくありません。
こちらのケースでは、感受性が弱いというのが、感情表現が乏しい原因ということになるでしょう。
特別な感情がわいてこないために、表情が変わらないのです。
緊張しやすい
喜怒哀楽がないわけではなく、単純に緊張しているだけ、というのがよくある原因の1つです。
緊張状態にあるため、顔の筋肉が硬直してしまい、他の人からすると無表情に見えてしまうのです。
また、緊張していると、相手の言葉や態度への反応が遅れてしまいがちです。
言葉に詰まったり、体がとっさにスムーズに動かなかったりと、反応が小さくなってしまい、その結果感情表現が乏しい人だと判断されてしまうのです。
心の中では豊かな感情を持っていても、それを上手に表現できていないだけなのです。
こういう人の場合、親しくなると多彩な表情を見せてくれることもありますが、緊張している姿を見られたことを恥ずかしがり、それ以降の付き合いを避けられることもあります。
プライベートとビジネスの場では見せる顔が違う、というタイプの人は、緊張しやすいことが原因かもしれません。
感情表現が豊かな人との付き合いが少なかった
感情表現の豊かさは、子供の頃の環境が大きく関係しています。
両親がともに感情表現が乏しい場合、その子供も同様に感情を表に出さない性格になる傾向があります。
一番身近にいる人たちが無表情だと、それが当たり前のことだと思うようになるのです。
無表情でいることが普通だという考えが染みついてしまうと、感情を人に見せることを恥ずかしく思うようになります。
小さな子供の頃に、感情表現が豊かな同年代の子供と触れ合ったり、教諭の指導があったりすると、自然と改善されることもあります。
しかし、友達付き合いが苦手で一人で過ごす時間が長かった場合や、その子の性格なのだからと大人からの声掛けがされなかった場合は、そのまま大人になってしまいます。
その結果、素直に感情表現を出せなくなってしまうのです。
本人の意識によって変えることももちろんできますが、大人になってからだと性格が確立されているため、大変な作業となります。
プライドが高い
プライドが高い人も、自分の感情を素直に出すことを嫌がります。
自分の弱みを見せたくないという気持ちからくるもので、感情を出せないのではなく、出したくないのです。
多くの人は、失敗が他人に知られたり、多少のコンプレックスを見せたりすることは普通のことだと考えて、そこまで嫌がりません。
しかしプライドが高い人は、「弱みを見せたら負け」「他人から笑われたくない」といった気持ちを強く持っています。
そのせいで、表情を消して、自分のプライドが傷つかないようにしているのです。
「こんなことで怒るなんて小さな人だ」「こんなことで笑うなんて変わった人だ」などと他人から思われること嫌っているのです。
根底には自分の自信のなさや、他人に対する恐れがあります。
感情を見せず冷静に見えても、内心は動揺していることも少なくありません。