あなたの職場に自発的に動こうとせず、指示されたことしかやらない「指示待ち人間」はいませんか?
勤務して数年経つのに「言われなかったのでやりませんでした」では、あまりにもお粗末ですよね。
また、自分では普通に働いているのに「指示待ちだよね」と言われて嫌な思いをしたことはありませんか?
そこで今回は、指示待ち人間に困っている人・指摘されて戸惑っている人へ「指示待ち人間」をテーマにさまざまなことを解説します。
目次
指示待ち人間の意味とは
主体的に動かず相手から指示されないと動けない人材のことをいいます。
自分で考えて動かず人から指示してもらおうとするので、トラブルが起こると自力で解決できません。
指示されたことはきちんとやっていても、「仕事ができない」と誤解されやすく職場では低評価になりやすいです。
しかし内向的で自分に自信がない性格から、本当は動きたいと思っていても動けない人もいるので、全員気が利かないというわけではありません。心理的な理由で指示待ち人間になる人もいます。
指示待ち人間の何が悪いの?
「指示待ち人間」は、でしゃばることをしないので人のことを傷つけることはありません。
しかし指示されれば真面目に仕事をするのに、「指示待ち人間」のどこが悪いのでしょうか?
指示待ち人間の何が悪いところかを解説します。
自分で責任を負いたくない
指示待ち人間は困ったことがあると、上司や同僚にすぐに助けを求めます。いちいち何をするにもお伺いを立てることで印象が悪いようです。
ほよど自身では責任を負いたくないことがミエミエで、たまに「〇〇さんから言われてやっています」とシャーシャーという始末。
自分で指示書を読むことや考えることをしないことで、イライラさせてしまいます。
楽に済ませようとする
30代はゆとり世代前半にあたる年齢から「指示待ち人間」の先駆けとなった世代です。
ゆとり世代は指示された仕事を効率よく楽に済ませようと簡単に終わらせようとします。
仕事でチャレンジしようなどせず、楽に済ませようと「指示されたこと以外はしたくない」と、やる気のない態度に原因があるのです。
社歴が長いだけの指示待ち人間
指示待ち人間と聞くと、ゆとり世代のような若い人を思い浮かべますが40代になっても指示待ち人間はいます。
この場合、会社の本質に問題があるようです。
しかし入社25年にもなるのに未だ言われなければ仕事をしない態度に、周囲は「いい年なんだからしっかりしてよ」と憤りを感じます。
指示待ち人間の特徴
指示待ち人間にはいくつか特徴があります。
勤続年数はそこそこ長いのに、責任を負うことを避け自発的に動けず現場のことをまるで分かっていないなど驚くような特徴を持っています。
ここでは、指示待ち人間の特徴を詳しくまとめてみました。あなたの知っている「指示待ち人間」に当てはまっているか比べてみて下さい。
責任を負いたくない
本当は「こう動いた方がいいかも」と考えていても万が一、不都合が起こると責任を取らなくてはなりません。
指示待ち人間は自分より上にいる立場の人をうまく利用します。安易な決断でも「私の一存では決められないので・・」と上司に甘え指示を仰ぎます。
トラブルが起こっても知らん顔していたり何もせずオロオロしていたり、ここでも指示されないと動きません。
仕事の知識が勤続年数とそぐわない
同じ職場に3年いれば、現場のことはそこそこ分かり10年いればベテランの域に入ります。
指示待ち人間の場合、勤続10年以上いたとしても「本当に勤続10年?」と疑ってしまうほど現場のことを分かっていません。
新人から質問されても答えられないことが多く、転職組で入社した人は驚くようです。
漠然とした質問をする
仕事をしていると難題に当たることがあります。前にやったことも年齢を重ねた40代以上の人では忘れてしまうこともあります。
そのような時どんなことをしてどこで躓いたかを模索せず、すぐに教えてくれそうな人に質問します。
質問の仕方も「ここ分からないんですが」と唐突に聞くので、質問された人に戸惑いを与えてしまいます。
気が利かない
仕事がないとき「何かお手伝いすることはありませんか?」とは聞きますが、「ないです」と言われたら本当に何もしません。
閑散期では1日の就業時間内で自分の仕事が終わってしまうことがあります。しかし、掃除やゴミ集めなど雑用は探せば案外あります。
自発的に仕事をしないので、気が利かない人と思われやすいのです。
手がかかる
指示待ち人間を指示する側は、彼らがきちんと出来ているかチェックを都度やらなくてはなりません。その間、自身の仕事が出来ず現場の生産性が落ちてしまいます。
入社して何年も経つのに1から10まで指示しなくてはならない・指示待ち人間のために仕事を見つけるなど手間がかかる人なのです。
社員が指示待ち人間になってしまう理由
「あの社員はなぜ自分から動いたり考えたりしないのだろう・・」そう感じたことはありませんか?
指示待ち人間になってしまうには、いくつか理由があるのです。
ここからは指示待ち人間になってしまった理由を解説します。あなたの周りにいる指示待ち人間の本音とは何でしょう。
完璧主義の上司からの影響
指示待ち人間になってしまう理由として、会社の本質が原因にあるようです。
上司が仕事をふらず、手伝おうとしたら「勝手なことはするな」と言う上司の下で働くと手を出すことは悪いことと認識してしまいます。
頭が堅く失敗を恐れる上司は、慣れない新人に任せるなら1人でやった方がましと考えます。そうなると、部下は育たず自分で考えて動けなくなるのです。
親から支配された
支配欲の強い親から育つと、「ああしなさい・こうしなさい」と指示されながら生活することになります。
親の意に反した行動をすると、激しく叱責され自分の意思で動くことができなくなります。
すると、親から言われた通り動けば安泰という意識が植え込まれます。
指示されるまで動けなくなるのは、支配欲の強い親との環境が影響しています。
自分から動くことが怖い
失敗することは長い目で見れば悪いことではありません。厳しい人から見ると、失敗は悪いことと考える傾向があります。
親や教師や上司が非常に厳しく失敗は悪いことと考える人から教わると、気が抜けなくなり怖くなって自分から動けなくなります。
その影響から、内向的で臆病者な性格となり指示待ち人間となるのです。
おとなしく指示に従うほうが無難
指示待ち人間は会議ではほとんど発言をしません。
なぜなら、その会議自体が全員の意見を聞き入れようとする体制ができていないからです。
すると、たとえ改善策を訴えても反対に「うっとおしい」と思われる可能性がでてきます。
大人しく上司の意見を聞いて指示を受けているほうが嫌われることもないため防御策を取っているのです。
与えられた仕事だけやりたい
合理的な人は効率よく仕事をしたいので、指示されたこと以外は無駄なことはしたくありません。
求人票や面接で説明された仕事だけをやりたい人です。指示されたことはきちんとやりますが、それ以外の業務は管轄外と割りきってやる気がありません。
「余計なことはしたくない」というドライな性格なので指示待ち人間になるのです。
指示待ち人間にイライラする原因
指示待ち人間は決して人間性が悪いということではありません。
指示する側が気の短い人や生真面目な人からみると、指示待ち人間にはどうも疲れてしまうようです。
ここでは指示待ち人間がなぜ周囲にイライラさせてしまうのか理由をいくつか解説します。
指示された仕事以外は無関心
自分の仕事以外には感心がありません。指示されたことだけ淡々とこなし時間内に終われば、ぼーと時間が過ぎるまで待つだけの態度にイライラします。
気を利かすことをせず、「終わりましたがどうすればいいですか?」と、聞いてくるので「どうすればいいですか?じゃないだろ・・」と、疲れるさせることが多いからです。
自分の仕事に集中できない
完璧主義の指示待ち人間もいます。
このような人は仕事の細かい部分まで把握しておこうとするのでいちいち聞いてきます。
しかも残念なことに自分で考えることをしません。なので、上司や先輩は聞かれる度に教えなければならないため自分の仕事に集中できずイライラするのです。
解決しようとしない
仕事でトラブルが起こっても報告だけして解決しようとしません。
トラブルを解決しなければならない人からみると本当にイライラします。しかも自分が上司であればどんどん仕事を振ることはできますが、同期や先輩となれば簡単に指摘しにくいところがあり悩みの種となるのです。
イライラする側が求めすぎているから
「指示待ち人間はいらない」とイライラする人は、相手のことを求めすぎているのが原因です。
指示待ち人間は言われたことしかやらなくても、完璧にできれば十分会社へ貢献できるのです。ただ、どんくさいところがあるのでさぼって見えてしまうこともあります。求めすぎる人からみるとイライラの対象になるのです。
頼ってばかりで甘えている
指示待ち人間は仕事に対する向上心がなく無関心な態度にイライラさせるようです。
会議でも改善策を考えずただ周囲に同調するだけなので、何を考えているのか分かりません。
生真面目な上司は指示待ち人間を、甘えた人と写り「指示待ち人間は嫌い」と思い始めます。
社員が指示待ち人間で使えない時の対処法
指示待ち人間は指示されたことに真面目に取り組みます。
性格的な要因で、前に出ることに臆病なことや上司の圧力にでしゃばらないようにしている可能性があります。
ここでは、社員が指示待ち人間で使えない時の対処法を紹介します。
分かりやすいマニュアルを作る
どんなタイプの人でも仕事をしやすいようにマニュアルを作りましょう。
臨機応変に動くことが苦手な指示待ち人間にとって、イレギュラーな仕事を振られると戸惑ってしまいます。
マニュアルをきちんと作成していれば、担当者が急に休むことになっても指示待ち人間は活用しながら作業ができます。
どんな仕事でもやらせてみる
上司が仕事振らず放置していたこと・一人でやってしまったことが指示待ち人間になったことの原因の1つです。
苦手そうな業務だからとやらせないままではいつまでも指示待ち人間のままです。
苦手な分野でも、回数を重ねればできるようになるはずです。指示待ち人間に成長できる機会を与えてみましょう。
観察・面談
部下や後輩が指示待ち人間で使えないと困っているときは、あなたの思い通りに動かないことが理由ですか?
そのような場合は、指示待ち人間を観察してみましょう。すると、指示待ち人間にとってどんな仕事を与えればいいのか分かることがあります。
観察して分からない場合は1年に1.2度面談の機会を作りましょう。観察すること・話しをすることで、指示待ち人間のことが分かります。
大きな心で接する
あなたが40代以降の人で若い世代の指示待ち人間に使えないと困っているときは、親のような気持ちで接しましょう。
彼らとは育ってきた時代が違います。頭ごなしにきつく振舞うと萎縮してしまいさらに動かなくなります。
余程、大きなミス・危険を伴うミスをしない限り大きな心で接しましょう。
指示待ち人間にストレスを抱えない
同期や先輩が指示待ち人間で困っているときは上司に相談しましょう。自分から言うと水を差すし関係が悪くなるのも困りますよね。
先ほど解説したように、あなたも大きな心で接して下さい。指示待ち人間になってしまったことには「その人なりの事情がある」と考えると楽になれます。
1人で悶々と抱えていると指示待ち人間に対しストレスが貯まり関係に影響がでるかもしれません。
困って仕方ないときは、1人で悩まないようにして下さい。
指示待ち人間の直し方
指示待ち人間を上手にマネジメントすると考える力がつくことや動ける人物に変わることができます。
では指示待ち人間を活躍させるにはどうすればいいのでしょう。
指示待ち人間は考えることが苦手な傾向があるので工夫すると改善することがあります。
また、後半では自身が指示待ちと言われて「直したい」と思う人への工夫を紹介します。
指示待ち人間を直したい人も直させたいと思っている人も参考にしてみて下さい。
分かりやすく伝えてみる
指示待ち人間にどういう指示の仕方をしているか考えてみましょう。
気が短い人は指示待ち人間にイライラすると解説しましたが、気が短い人は言葉遣いが抽象的になりがちです。
「何がどうした」といった感じなので具体的な部分が抜けているので理解しにくいです。
すると指示待ち人間にとって、どうすればいいのか分からず動けなくなるのです。
参考書のような指示はやめる
相手に分かりやすく伝えていて優しく接しているのになぜか指示待ち人間に育ってしまう・・このような場合は、あなたが世話しすぎているのが原因です。
細やかな指示はとても分かりやすく頭に入りやすいので、自分で工夫しなくてもそのままやればいいので頭を使いません。
難しいですが、相手に若干考えさせるように指示することがコツです。
担当している仕事の目的・役割を把握する
指示待ち人間から脱却したい人は、なぜその仕事をするのか目的と役割を把握しましょう。
例えば、データ入力の仕事はただ入力をするだけではやりがいを感じられません。
自分が担当しているデータは、どのような人達に役に立っているか考えると社会に貢献している感覚を掴めるはずです。
疑問に思うことは質問する
指示待ち人間と言われる人は疑問に思っても質問をしないという特徴があります。
疑問を持たないということは、先ほど解説した仕事の目的・役割を把握していないことと繋がっています。
また、疑問を持っても質問をしないままでいると何かトラブルが起こったときに対処できません。
「自分なんか・・」と考えるのはやめる
指示待ち人間には「自分に自信がない」と、思う人もいます。
失敗をして叱責されたことや優秀な同期がいるとどうしても比べて落ち込んでしまうでしょう。
しかし、あなたにも長所はあります。「自分は何もできない・・」と考えず、できることを考えて下さい。
周囲の人とトラブルを起こさない・柔軟な態度でいられることも立派な長所です。
指示待ち人間を放置するメリットとデメリット
指示待ち人間にはイライラするし、正直足手まといと感じることもあるでしょう。
下手に叱ってしまうと、パワハラと訴えられて損することになることから「放置したい」と考えてしまいますよね?
ここでは、指示待ち人間を放置するメリットとデメリットを紹介します。
メリット
自分で考える機会ができる
指示待ち人間を放置すれば、自ら考える機会ができます。
指示待ち人間が出来上がった理由として、考えなくてもいい環境に甘んじていたということが考えられます。
指示した後放置して置くことは、その間自分の頭で考え・判断し行動を起こさなくては何も始まらないので指示待ち人間にとってメリットにもなります。
仕事の効率が上がる
指示待ち人間を放置することで、仕事の生産性が上がります。
指示待ち人間に聞かれていたことをすべて対応していると、あなた自身の仕事にも影響がでます。
特に納期が迫っているクライアントが絡んでいたら、会社の信用にも関わってきます。
放置することで、あなたの責任を果たせるというメリットがあります。
イライラせずに済む
指示待ち人間にイライラするからとつい強い口調で指摘すると、あなた自身がパワハラをしているように見られます。
放置することで、イライラする機会が減るのでストレスが貯まりにくくなります。
そして叱ることもせずに済むので、あなたの評価が下がる心配もありません。
デメリット
上司の評価が下がる
指示待ち人間を放置すると、指示待ち人間はおろおろするばかりで何もできなくなります。
すると、今度は上司に当たる人の評価が下がる要因となります。
使えない人を育てられないことは、上司として力量が足りなかったと会社から判断されてしまいます。
あなたが良かれと思った行動が裏目に出てしまうのです。
「いじめられている」と誤解される
そもそも指示待ち人間は指示をすることが上司の仕事と考える人がいます。
すると、指示されず放置されれば疑問に思います。「今まで指示してくれたのに私に意地悪しているのかな・・」と、放置されたことを逆恨みするようになります。いじめられたと受け取ってしまい、最悪の場合訴えられるかもしれません。
もっとひどい指示待ち人間になる
上手に放置しないと「本当に何もしない指示待ち人間」になります。
指示待ち人間は、「何も言われなかったのでやりませんでした」を通す人です。
ただ座っているだけでお金をもらえることに内心ニヤニヤしているかもしれません。放置することでもっとひどい指示待ち人間になってしまうのです。
指示待ち人間の末路
指示待ち人間のままでいるとさまざまなことが待ち受けています。
そもそも、職場では迷惑な人・自分で考えない人とお荷物的な存在なので放置されることや冷たくされることもあるでしょう。
指示待ち人間が自分で「指示されたことしかしない」ことには理由があると思います。
しかし、このまま今の職場で指示待ち人間で通すとどんなことが起こるのか解説します。
急に出社できなくなる
指示待ち人間は会社の中でもお荷物と言われています。
指示待ち人間の末路の1つに、精神的に病んでしまう可能性があります。
指示待ち人間にとって、いきなり「自分で考えなさい」と言われるとどうすればいいのか戸惑います。
教えて貰うことが当たり前だった指示待ち人間にとって、急に不機嫌になる人が増えると全く意味が分からず混乱します。
職を転々とする
指示待ち人間の末路として、転職を繰り返すようになりなかなか腰を据えて働くことができなくなるでしょう。
指示待ち人間は、同僚・上司から放置されることで仕事を与えて貰えなくなります。
すると、自分は被害者だと感じすぐに辞職します。
根本的な問題が分からない指示待ち人間は、転職先でも人間関係が上手くいきません。
辞め癖がつくと、職を転々とすることになります。
年下の後輩が先に出世する
後から入った人が先に出世することがあります。
指示待ち人間はどの部署からも受け入れ拒否をされています。なので、本来なら数年経つと部署異動を期に出世することができません。
年下の後輩が指示待ち人間よりも上の役職につくことを目の当たりにするでしょう。
更新なし・リストラ対象
指示待ち人間が契約社員の場合、次回更新して貰えない可能性が高いです。また、中年以降の指示待ち人間は正社員でもリストラ候補とされるでしょう。
いつまでも指示されたことしかしないということは、いつまでも誰かの負担になっているということです。
言われたことをきちんとするのは、せいぜい新人と言われている人達だけです。
退職を申し出でも引き留められない
指示待ち人間が長く勤めあげた職場に辞職を申し出ても引き留められることはありません。
上司はあっさり「分かりました」と言うだけでしょう。
10年以上も勤めあげたのに、指示待ち人間は全く引き留められないことに寂しさを感じます。
指示待ち人間なりに頑張ってきた職場だったのに、退職しても気持ちが未消化のままスッキリしません。
指示待ち人間が自立できるマネジメントを
指示待ち人間の周囲にいる人の気持ち、また指示待ち人間と指摘された人の気持ちが分かっていただけましたか?
指示待ち人間が同じチームにいると、気の長い人もイライラさせてしまうほど指示待ち人間は職場の人に負担をかけているのが分かります。
指示待ち人間も育ってきた環境や自分に自信がないことから、叱られたくない気持ちで素直に言われたことだけしかできなかったのです。
令和時代での若手40%が指示待ち派だそうです。
これから社会を築いていく若者育成のためにも、指示する方はマネジメント改善する必要がありそうです。
どんな性格の人でも、風通しよく働ける社会を組織ぐるみで考えていきましょう。