普段の会話の中で独善的な人とはなかなか使わないかもしれません。漢字から見ても、良い意味なのか悪い意味なのか分かりづらいと言えるのではないでしょうか。
今回は「独善的」という言葉の意味と、近い意味を持つ自己中心的との違いについて解説していきます。また独善的な人に注目し、特徴や心理、直し方についても紹介します。
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目次
独善的の意味とは
独善的とは、端的に言えばひとりよがりな様子を指します。「善」という漢字から良い意味を連想させますが、残念ながらネガティブな意味です。他人を気にせず自分中心に物事を考えており、他人からの話に聞く耳を持たず自分の意見がいつでも正解であるという思考を持っています。
また客観的に見るという力も欠けているので、視野の狭さを感じさせます。自分の意見の正しさを疑うことはなく、その自分の考えに他人を巻き込み従わせようとするため、独善的な人に対し少し厄介と感じることが多いと言えるでしょう。
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独善的と自己中の違い
独善的と自己中心的、どちらも人よりも自分を優先するという意味では同じであると感じさせますが、言葉の使い方や詳しい意味を見ていくと違うことが分かります。独善的は上記でも記したように、ひとりよがりな点が目立ちます。また人の意見を聞かず自分の考えが正しいと信じてやまない点をみれば、自分の悪さに気が付いていないことが問題と言えます。
自己中心的は、自分さえ良ければ他の人はどうでもよいという考えを持ち、人に迷惑をかけているという認識もしている場合があります。
独善的な人の特徴
先に独善的という意味について紹介しました。周りに当てはまる人が思い浮かんだ人もいるのではないでしょうか。独善的な人にはどのような特徴があるのでしょう。
ここで独善的な人の特徴を紹介しますので、参考にしてください。
正しいのは自分
独善的の1番の特徴が、この正しいのは自分であるという考えです。いつでも自分の判断は正しく、自分の考えで行動すれば間違いはないと自信があります。
時に意見が合わない相手に会い、指摘を受けることがありますが受け入れることはありません。
人に厳しい
自分には優しい反面、人には厳しい姿が見られます。特に自分と考えが違う人に対しては、厳しさが増す傾向にあります。
自分の意見を聞いてもらえないうえに、その事で問題が生じた際には、ここぞとばかりに追及してくる怖い一面があります。
視野が狭い
独善的な人は、人の意見は聞き入れないという態度のため、自分にはない考えを吸収する期間が周りに比べ極端に少ないです。本来なら年を重ねるにつれ、様々な考えを知り新たな意見を持ちますが、残念ながら独善的な人には成長はありません。
コミュニケーションが苦手
コミュニケーションをとるためには、会話をしお互いの意見を交わす必要があります。しかし独善的な人は人の意見を聞くことは放棄し、自分の意見ばかりを発信していきます。これはコミュニケーションとは言えません。
自分の意見を言うだけという行動を繰り返すことにより、人が離れていくためコミュニケーションを取る機会も失っていくのです。
協調性がない
多くの人は職場では、ある程度は周りの人に合わせよう・会社の考えや雰囲気に合わせようとします。個人で進める職種ではなく複数人で仕事を進めていくような職種は特に、協調性が求められるでしょう。
しかし独善的な人には人に合わせたり協力するような、協調性が見られません。本人は個人プレイをしたいという感じはありませんが、結果として1人になってしまっています。
独善的な人の心理
人の行動には何かしらの理由があります。独善的な人にも理由があってその行動に出ていると言えます。ではどのような思いで行動しているのでしょうか。ここでは独善的な人の心理を紹介します。独善的な人の理解に繋がりますので、参考にしてください。
自信がある
独善的な人は自分の意見が間違いであるという考えはありません。それは自信の表れであると言えるでしょう。
自分に自信があるからこそ、人の意見に耳を傾ける必要も自分の考えを曲げる必要もないと考えてしまうのです。
余裕がない
時間・心など様々な点で余裕がなく人の意見を聞くことが出来なくなってしまい、その結果独善的になってしまったという人も中にはいます。忙しく過ごす仕事中は特に自分のことでいっぱいになりがちです。
周りの人とのコミュニケーションが不足すれば、考えや意見に偏りが出てしまいます。
強さをアピールしたい
独善的な人は自分の意見を押し通す傾向があり、それは自分の弱さを見せられないという根本的な問題が関わってきていると言えます。過去に何かコンプレックスになるような体験をしたことで、強い人間でありたいと決意しているのかもしれません。
自分の意見や考えを押し通すことで、その決意を体現しようとしているのです。
上に立ちたい
上に立ちたいもしくはすでに上の立場になっている人にも独善的な人は多くいます。自分のポジションを示すために行動した結果、独善的な人になってしまっているのです。
また部下に頼りなさを感じることで、その行動はエスカレートしていきます。
人を信用できない
人の意見を聞くということは、人を信用できなくては難しいことです。残念ながら独善的になる心理として、人を信用できないということが挙げられます。
この人に任せてしまったらミスが起こるかもしれないと思うと、怖くて出来ないのです。自分しか信用できないという悲しい理由があるのでしょう。
独善的な性格
独善的になるのにはきっかけの他に、性格も関係があると言えます。では独善的な人はどのような性格の人がなりやすいのでしょうか。
ここでは独善的な人の性格を紹介します。ぜひ参考に、自分に当てはまっていないかどうかも一緒に確認してみましょう。
マイペース
独善的な人はマイペースな性格が目立ちます。周りの人が期限に間に合わせるため急いでいても、自分の中で間に合うと確信していれば合わせることはありません。
そのためひんしゅくを買うこともしばしばです。複数人で取り組む時には特に浮いた存在になりやすいと言えます。
空気が読めない
自分の発言や行動によって空気が悪くなっていることに気が付いていない節があります。良かれと思ってやったことが迷惑になっていても、自分の中ではなんて良いことをしたと、感覚がズレを感じます。
人を気にしないことでおこる問題とも言えます。
頑固
周りの人にどんなに意見されても注意されても、自分の意見を変えることをしない独善的な人は、頑固な性格に当てはまると言えるでしょう。意固地になりすぎて自分の本来の目的を見失うことがあるほどです。
仕事ではこの頑固さが原因で、目的達成が難しくなることやプロジェクトから外されてしまう事態にもなることがあります。
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打たれ弱い
自分を通そうとする姿からは想像がつかないかもしれませんが、独善的な人は打たれ弱いといえるでしょう。意見が違えば相手と話し合いを重ね、良い方向へ導く答えを出します。
しかし自分の意見を否定され傷つきたくないという理由から、そのやり取りをすることができないのです。これは本人の打たれ弱さと言えるでしょう。
自意識過剰
人に対して自意識過剰になってしまう面が見受けられます。少しでも反論する素振りが見えようものなら、過剰に反応し批判を始めます。
また自分に対しての批判でないにもかかわらず、噛みつくこともあり自意識過剰さで周りを振り回してしまいます。
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独善的な人への対処法
独善的な人とどのように付き合っていけば良いのか、分からなくなってしまっている人も多いでしょう。人との付き合いは時に我慢を強いられますが、それが長期間続けば大きなストレスとなります。
それを避ける為に対処法は知っておくと良いと言えます。ここでは独善的な人への対処法を紹介します。
はっきり伝える
真っ先に自分の意見を言いその意見を押し付けてくるので、その勢いに押されてしまうかもしれません。遠慮していては自分の意見はいつまでたっても独善的な人に届きません。
穏便に済ませたいと逃げるのではなく、はっきり自分の意見を伝えましょう。時には何度も伝える勇気も必要です。
複数人で対応する
1人で立ち向かっても相手にしてもらえないこともあるでしょう。自分の考えに共感してくれる人を探し、複数人で意見を伝えるのも良い方法です。
個人的な意見から多数派の意見に印象を変えることができます。
表面上は受け入れる
言われたことに対し歯向かえば何倍にもなって返ってきます。それはあなたにとってストレスなことでしょう。
表面上では受け入れる姿勢を見せ、見えないところで自分や周りの人のやり方をしても、結果が良ければ問題ないと言えます。
厄介な人を演じる
あなたが独善的な人に対し厄介な人と思っているのと同じように、相手にも厄介な人と思われてみてはどうでしょうか。この人に自分の意見を言っても仕方がない・疲れてしまうと感じさせることによって、必要以上の関わりをもたなくなります。
距離を置く
人からの助言も聞かず、自分の意見を押し通すくらいの成功させる自信があるというのなら、やってみせてもらいましょう。無理に説得せずあなたは距離を置いて見守ってみるのもよいかもしれません。
意地悪な言い方かもしれませんが、お手並み拝見といったところです。
独善的な性格を直すには
独善的な性格はデメリットも多く、周りの人との関りで悩み直したいと感じることもしばしばと言えます。自分の独善的な性格に気が付いているのであれば、直すことをおすすめします。
ここでは独善的な性格の直し方を紹介します。
相手の意見を詳しく聞く
何でもかんでも受け入れるということは、今まで独善的な対応をしてきた人には難しい話です。まずは相手の意見を聞き、その考えに至った経緯を詳しく聞いてみましょう。
詳しく聞くことによって共感できる部分や共通点が見つかる可能性があります。今まで聞く耳を持たなかったことで、自分には生れなかった考えを知るきっかけになると言えます。
視野を広げる
独善的な性格を直すためには、いろんな考えがあって当たり前ということを知る必要があります。多くの人とコミュニケーションをとるのが1番ですが、コミュニケーションが苦手な人もいます。
そんな時には、講演会やセミナーといった、その人の考えを発信している場に参加し価値観に触れると良いでしょう。またエッセイ本や伝記といった本を読むことでも価値観に触れることはできます。
アドバイスを貰う
自分の考えに間違いがないと思っても、案外別の人の意見を聞くと間違いに気が付くこともあります。相手の意見を取り入れるかどうかは、聞いてから判断しても良いのではないでしょうか。
自分の意見を話、それに対するアドバイスを貰ってみましょう。
人の考えで動いてもいる
人の考えで動いてみる経験をすることは、独善的な性格を直すのに有効です。自分の考えや意見ではなく人の考えや意見で動くことがどのようなものかを知りましょう。
頼りない・信頼できないと思っていた人の新たな一面を知り、信用できる人に見方が変わってくるかもしれません。そうすればあなたにとって強い味方ができることになるのです。
すぐに自分の意見を言わない
今までは真っ先に意見を言い、周りの意見を遮っていたかもしれません。すぐに自分の意見をいうのをやめてみましょう。
あなたが我慢することで、数多くの意見が出る可能性が高くなります。また人の意見を聞く練習にも繋がります。
独善的な人の末路
独善的な態度を改めなければ自分にどのようなことが起こるのか、具体的に想像がつかなければ、今の自分のままで何がいけないのかという態度か変わらないでしょう。
ここで独善的な人の末路を紹介します。どうなっていくのかが想像しやすくなり、危機感も感じやすくなるのではないでしょうか。
昇進できない
会社で多くの人と働くに当たって、協調性があることはある程度評価に繋がってきます。いくら仕事ができる人でも、個人プレイが多く見られれば、マイナスイメージが強くなります。
自分勝手な態度に周りから慕われるわけもなく、上に立つ人ではないと昇進はなかなか出来ないでしょう。
助けを得られない
周りの人は気にせず、自分のことばかり考える人に助けようと思う人はいません。普段はそれでも問題はないですが、誰でも自分一人ではどうにもならない時があります。そんな時助けを得られず慌てることとなってしまう可能性が高いと言えます。
親しい友人・知人がいない
独善的な人に関わる人は、さんざん振り回され我慢を強いられるため、離れようとする人は多いでしょう。そのため周りに親しい友人・知人はいない状態になります。
皆さん親しくなり性格を知ると付き合いを考えてしまうのでしょう。
信頼されない
人の話を聞かず自分勝手に事を進める態度に、信頼度は低下していくばかりです。仕事では重要な仕事を任されることもなくなり、友人には大切な話はしてもらえなくなります。
信頼されないことがどれだけ寂しい物かを思い知ることになるでしょう。
パートナーと上手くいかない
コミュニケーションが苦手ということや独善的で自分中心な姿を見て、魅力的と感じられることは少ないです。そのためなかなか異性と恋愛に発展しづらいといえます。
恋愛に発展したとしても、深く内面を知られると離れて行ってしまいます。また結婚してもモラハラ気味になり、上手くいくとは言えません。
独善的な人は自分の意見を言える芯のある人
独善的な人は自分の意見をしっかり持っていますし、その意見をはっきり伝える力を持っています。何も発言しようとしない人に比べたら、よっぽどやる気をもって取り組んでいると言えるでしょう。
独善的な人は、他人に優しく気遣いを心がけるだけで、印象が大きく変わると言えるでしょう。自分の意見が常に正解ではないということを念頭に置いて、物事を進めるようにしましょう。