ロスジェネ世代はいつ?ロスジェネ世代の特徴や勝ち組と言われる理由を紹介!

ロスジェネ世代はいつ?ロスジェネ世代の特徴や勝ち組と言われる理由を紹介!

ロスジェネという言葉を知っていますか?
ロスジェネとは、ロスト・ジェネレーションの略で「失われた世代」という意味です。

彼らが失ったものとは、厳しい就職活動だったことで「希望の企業に内定をもらう」という夢や正社員になれず、お金・配偶者・子供を持てないことと繋がったことなど・・。

しかし、それでも生きていかなくてはなりません。

そこで今回は、ロスジェネ世代をテーマに彼らの特徴・強さ・未来を紹介します。

ロスジェネ世代はいつ?

1970年生まれから1982年頃に生まれた世代をロスジェネ世代といいます。別の呼び方として「就職氷河期世代」ともいいます。
バブル崩壊後、学生だったこともあり新卒での就職は非常に困難でした。どん底の不景気となり、就職できない若者が次々に卒業するので益々あふれていきました。
フリーターとして働くことを余儀なくされた「ロスジェネ世代」は、現在も多く残っています。


ロスジェネ世代の特徴

厳しい就活時代や社会人時代からスタートしていることで、芯のしっかりしていることや慎重になりやすいところがロスジェネ世代の特徴といえます。
中には、非正規雇用からスタートしたことで、転職を繰り返してしまったりスキルが身につかなかったりして、今でも厳しい生活をしている人もいます。
ここでは、ロスジェネ世代の特徴について詳しく解説します。

自分自身を客観視できる

難なく就職できた先輩たちからみれば、芯のしっかりした人という印象です。
なぜなら、学生時代から世の中の移り変わりに直面しスムーズにいかないことを経験したことで、ロスジェネ世代は自分自身を客観視し「どこがいけなかったのかな」と振り返り反省を生かそうとします。

仕事に対する意欲が高い

不景気な時代で働くことは、いつ解雇になるか分からない危機感が付きまとうことがあります。
厳しい就職難を経験したことで「職に就けたことの感謝」は、他の世代の人よりも強いといえます。なので、懸命に働き貢献します。
チャラチャラ楽しんで働く人を冷ややかな目でみることもあります。

シングル女性の貧困

同じロスジェネ世代でも、女性はさらに就職難でした。四大卒女性よりも高卒女性の方が就職しやすかったようです。
彼女たちは就職活動をしても希望ではない一般職に就くことや非正規雇用として社会に出た人が多くいました。同じ非正規雇用の男性よりも女性の方が、収入が低いことも特徴です。特に、シングル女性の貧困は社会問題として注目されています。

堅実

ロスジェネ世代はお金を大事にします。
悠々暮らしていた人が、突然転落人生に変わることは普通に起こっていたので、日本の景気が衰退するさまに直面し実感したからです。
ロスジェネ世代の上の人が好む、高級ブランドをローンで買うようなことはしません。堅実に貯蓄することで安心しながら暮らしたいのです。

内向的

ロスジェネ世代は厳しい現実を知り尽くしています。収入が不安定な人は、責任の重い結婚に対して消極的になってしまうことも・・。
恋人や友人と派手に遊ぶお金も使えないので、出会いも少ないのでしょう。仕事は真面目に働いても、収入が上がることもなく淡々と家と職場の往復だけの生活に、だんだん内向的になっていくようです。


ロスジェネ世代は勝ち組だと言われる理由

ロスジェネ世代は、近い世代よりも厳しい時代だったことが分かりました。厳しいからこそ、身についたこと・知ったことも数多くあったことでしょう。
ここでは、ロスジェネ世代が「勝ち組」と言われる理由を紹介します。

先輩より出世しやすい

ロスジェネ世代の中には、就職氷河期でも希望通り内定を取れた人はいます。
バブル世代・しらけ世代は超がつくほど売り手だったことで、楽な就職活動をしていた先輩達は入社後も努力を強いられることはありませんでした。
ロスジェネ世代の入社組は、勝ち残った優秀な選手です。入社し年数を追うことで、いつしかバブル世代の先輩より、追い抜き良いポジションに就けたからです。

自由度の高い生活

人にとって「幸せ」とは、無理して稼ぎお金を得ることでしょうか?
たしかに福利厚生が手厚く給料が良いことに越したことはありません。ロスジェネ世代で就職活動が上手くいかなかったとしても、自由度の高いフリーターとしてストレスなく暮らすことは価値があります。
いい所に就職してもストレスだらけでは苦しい人生となり、楽しい生き方はできません。

世帯収入が高い

ロスジェネ世代から夫婦共働き世帯が増えていきました。ロスジェネより上の世代は、妊娠・出産を機に退職し妻が子育てに専念することが主流だったからです。
ロスジェネ世代の夫婦は子供が小さいうちから保育園に入れ、産休・育休を得て職場復帰することで、ブランクが空くなくキャリアを積むことができます。
世帯収入の多い世帯となることで、結果勝ち組となるのです。

4就職氷河期サポートの充実

就職氷河期をサポートする機関が充実しています。
新卒から思うように就職できなかった人を、積極的に受け入れようとする企業が増えてきており、40歳を過ぎていてもまだ正社員になれるチャンスはあるからです。
「将来は定年退職が70歳になるのでは?」と言われています。40歳過ぎていても、25年は働けることや、社会人経験・仕事の意欲の高さなどで正社員として再スタートできるからです。

失うものがない背景

ロスジェネ世代と検索すると「無敵」というワードが出てきます。
どういうことかというと、厳しい時代のどん底にいた人は仕事もなく結婚もせず子供もいない・・犯罪をしても抵抗感がなくなることから「無敵」と呼ばれるのです。希望を失い自暴自棄になることは、人生の勝ち組とはいえません。
しかし、何も失う物がない背景はまさに別の意味の「勝ち組」といえるのかもしれません。


ロスジェネ世代が怖いと言われる理由

現在ではロスジェネ世代も責任世代と移り変わっており、非正規雇用だったとしてもリーダー的立ち位置に属しているのではないでしょうか?
そんなロスジェネ世代を上司や先輩に持つと、「怖い」「嫌い」と感じてしまうことはありませんか?
ここでは、ロスジェネ世代が怖いと言われる理由を解説します。

危機感と隣り合わせ

懸命に就活しても、内定取り消しで夢破れた若者が命を経つ・・そんな時代を背に感じたことは「一瞬でも弱気になれば負けること」と思う人もいたことでしょう。
なぜなら、気弱な人は家に引きこもることや自害する若者が多く「強く生きねば終わる」と、常に危機感があったからです。

ちんたら仕事する人に憤り

不景気な時代は物が売れません。売上も上がらないので、社員に満足した給料を渡すことはできません。
何年働いても、ほぼ給料が上がることもない中ボーナスカット、さらに人員削除を行う会社も増えていきます。まだ新人だったロスジェネ世代は、生き残るため必死に仕事をしました。
なので、職場に仕事の姿勢・意欲の低い人がいると許せない気持ちになります。

一度で覚えて欲しいから

氷河期世代が新人の頃は、不景気の真っ只中だったため少ない人数で職場を回していました。全く分からない状態でも、「背中を見て覚えろ」精神で手取り足取り教えてもらえることはありません。
ロスジェネ世代が教育係だと「前も言ったよね?」などと言うのは、仕事を覚えることも早さを求められ1回で覚えなくてはついていけなかった経験からなのです。

幸せそうな人に嫉妬する

就職氷河期でずっと上手くいかなかった人は、年ばかりとって婚期を逃し収入アップの見込みもない鬱々とした日々を過ごします。
しかし、就職氷河期といいつつ上手くいった人は結婚をしたり家を買ったり子供を授かったりして幸せを横目で見ては「羨ましい」と思う人もいました。
ロスジェネ世代の独身が怖いのは、人は自分よりも「幸せそうな人」を見ると嫉妬するからです。

厳しく教育されたから

現在は、パワハラ・セクハラ・マタハラというように弱い人が守られる時代です。
就職氷河期も含め、それ以上の年代はこのような職場の問題を問題視されておらず耐えるしかありませんでした。
叱責されながら仕事をすること・理不尽な言い回しをされても、当時はパワハラ防止法などなく、泣き寝入りするしかありません。
このように、自身も厳しく教育されたことなどから「普通だと思ってやったこと」が、相手によって心に傷を残す結果となるのです。


ロスジェネ世代の未来

2019年内閣府が発表した「氷河期世代支援プログラム関連参考資料」によると、ロスジェネ世代1686万人のうち54%の人が正規雇用者であることが分かりました。
概ね、その半分の人が非正規雇用・無職の人です。
さて、このままロスジェネ世代が年を重ねていった未来にはどんなことが待っているのでしょうか・・

苦しい年金生活

ロスジェネ世代の半分は非正規雇用といっても過言ではありません。非正規雇用で国民保険加入だった場合、受給額も低くしっかり老後資金を貯めていないとかなりの生活苦が余儀なくされます。
さらにロスジェネ世代が老人になるころは、少子化問題となった子供達が社会を支える側となります。支える若者と老人の数が全く合わず、貧困する老人が増えると懸念されています。

生活保護受給者の増加

現在では、40代・50代の子を支える70代・80代の親の問題が注目されています。
さまざまな理由から自宅に引きこもっている50代の子供は再就職が難しく、やむをえず親が面倒を見ているのです。
親がいずれ亡くなった場合、子は国民保険のみで生活します。当然、それでは生活できないので生活保護を受けるロスジェネ世代が増加すると思われます。

年収1000万でも生活は苦しくなる

国の財政は、国民の税金で賄っています。
県民税・市民税は収入によって支払う金額が変わるので、低収入の人は住民税を払わなくてもいいのです。
非正規雇用人がこのまま増え続けた場合、将来は非課税世帯が増え都道府県にお金が回らなくなります。
一部の高収入の人ばかり税が上がることや最悪の場合、非課税世帯の収入限度が今より下がるなど生活は苦しくなるかもしれません。


ロスジェネ世代の有名人

ロスジェネ世代の特徴とは、真面目さ・厳しさ・堅実さを特徴に持つことが分かりました。
有名人、一般人とは関係なく、それぞれロスジェネの特徴を持っています。
ここでは、数多くいる有名人の中から3人を紹介します。

堺雅人

堺雅人さんといえば、半沢直樹役で有名ですよね。半沢直樹自体もロスジェネ世代の筆頭で、バブル入稿組の先輩たちに立ち向かっていく怖いロスジェネ世代を演じました。
実際の堺さんは、いつも笑顔でバラエティー番組ではユニークな発言をして視聴者を和ませます。また、追及する性格なのか禁煙するために「そもそもタバコとは何なのか」とタバコの博物館へ行き歴史から学んだといいます。ロスジェネ世代っぽいですよね。

友近

大物演歌歌手からおじさんまで幅広くキャラを演じる友近さんは、人をよく観察し研究しているからこそできる技といえます。
仕事に厳しくマネージャーに落ち度があるとキツイ言動で叱責することもあったようです。ときにマネージャーの上司までクレームを言い改善を図ろうとしました。
厳しい時代を生きたロスジェネ世代だからこそ、凡ミスばかりの若いマネージャーにしっかりしてもらいたい気持ちでいっぱいだったのでしょう。

ひろゆき(西村博之)

匿名掲示板「2ちゃんねる」開設者であり実業家のひろゆきさんもロスジェネ世代です。
本当にお金持ちになりたいときは「僕のようにケチになること」と、主張しひろゆきさん自身、昔から生活水準を上げることはしないようです。
自身が子供時代にゲームではなくPCを買って貰ったことで、情報リテラシーが養われました。現在の子供達にも「タブレットではなくPCを与えるべきだ」と養護施設へ多額の寄付をしたそうです。「自分には贅沢をしない・お金の使い道を未来まで考える」思想にこそ、ロスジェネ世代らしさが出ています。


ロスジェネ世代が「新時代」を作るかもしれない

この記事を読んで、初めてロスジェネ世代の厳しい背景を知ったという人もいたのではないでしょうか?

ロスジェネ世代だからこそ、見えた景色は「負けるものか」と立ち上がった人・「世の中絶望・・」と嘆く人と弱肉強食の世界を想像しました。

「なぜ就職氷河期支援があるの?」と、今まで不思議に感じた人も、この記事で分かって頂けたのではないでしょうか?

これからはロスジェネ世代が年齢的にも組織のリーダーになります。
しらけ世代・バブル世代とは違った経験・知識・仕事への意識の高さを武器に社会を引っ張っていく「新時代」を作っていくのかもしれません。