お荷物社員という言葉を聞いたことがあるでしょうか。どんなイメージを持ちますか?あなたが勤める会社にも、お荷物と言われている人はいるでしょうか。
一般的に良いイメージを持たないお荷物社員という言葉は、どのような意味を持つのでしょうか。またどのような特徴を持つのか、年代別に見てみましょう。お荷物社員に対しての対応や自分がお荷物社員になってしまった時の対処法も一緒に紹介します。
目次
「お荷物社員」の意味とは
お荷物社員とは、会社または一緒に働く人にとって重荷に感じられる人を指す言葉です。どちらかと言えば仕事が出来ず、行動においても言動においても悪目立ちをするため、周りをイライラさせます。
定年近くの新しい業務形態について行けない人に対して使われるイメージがありますが、実際には年齢問わず当てはめられ使われます。お荷物社員に対してのあたりは強く、「辞めてほしい」「できないなら手を出さないでほしい」と陰口を叩かれることもしばしばと言えます。
お荷物社員の特徴
お荷物社員の特徴は、自身がお荷物扱いをされていることに気が付かない又は、なぜお荷物扱いをされているのかが分からない点と言えます。職場では個人の実力も大切ですが、周りの同僚や先輩後輩と共に力を出し合い一つのプロジェクトをこなす必要があります。
自身の実力の無さによって足を引っ張っているという状況に、気が付いていない場合があります。また気が付いたとしても自分に落ち度があるとは感じず、変わろうという意欲は低いと言えるでしょう。
20代のお荷物社員の特徴
20代の人は社会人としてスタートして間もなく、まだまだこれから多くのことを学び成長していく世代です。周りの人もまだ20代だからと教えてくれることも多いこの年代で、お荷物社員というレッテルを貼られてしまうのは、どのような特徴からなのでしょうか。
コミュニケーションが取れない
仕事をする上でコミュニケーションを取るのは必須です。特に20代の場合、上司や先輩からの助言をもとに成長をしていきます。そのため人の話をよく聞くことが出来なくてはいけません。
人の話を聞けない・言われたことを理解できない人は、お荷物社員と言われてしまいます。
時間にルーズ
年代が上の人は時間に追われ、より多くの仕事をこなすことが良いとされる考えの中、仕事をしてきました。しかし働き方改革が進められている今、仕事は就業時間内に終わらせ、休みもきっちり取るよう指導を受けています。20代の人は働き方改革が進められてから社会人になった人が多く、昔の考え方は持ち合わせてはいません。
この考え方は悪いことではありませんし、時代の流れに乗った考えと言えるでしょうが、ギリギリの時間に出社し、仕事が終わらなくても定時で帰るといった、周りとの足並みを揃えることができなければ、お荷物社員と言われるのも仕方のないことです。
メモを取らない
新入社員はもちろんのこと、20代では初めての業務につくといったこともまだ多く、覚えなくてはいけないこともたくさんあります。そんな時忘れてしまわないようメモをするなど、工夫をしなければなりません。
お荷物社員と言われてしまう人は、忘れないための工夫や努力が見られないため、周りからあきれられてしまうのです。
30代のお荷物社員の特徴
社会人として慣れてきた30代は、後輩もでき社会人としての自覚も先輩としての自覚も持ち合わせた頃と言えます。この時期にお荷物社員と言われてしまうのは、20代とは違った特徴が見られます。どのような特徴があるかを紹介します。
自分で考え動けない
社会人ともなれば、その日に自分が何をどのペースで進める必要があるかを自分で考え行動に移さなくてはなりません。会社側からしても、自分で行動し新しい提案をしてくれることを求めています。
上司の言うとおりに動くだけなのであれば、代わりの人がいますしAIに任せることもできるようになるでしょう。
自分を客観視できない
30代になると、自分がどれくらい仕事ができるのか、どのような業務が苦手で何を得意とするのか、自分自身を客観視できるようになります。お荷物社員は、自分を客観視することができていないため、自分は仕事ができると勘違いし、出来もしない仕事に手を出しミスをするということを、繰り返すのです。
上司との関りが苦手
会社に勤めれば上司との関りは絶対です。ある意味上司とのかかわり方によって社内評価は大きく変わり、昇進に響くと言えるでしょう。
媚びを売る必要があるとは言いませんが、上司に嫌われお荷物社員扱いを受けている人もいるということです。
40代のお荷物社員の特徴
40代はそれなりの地位につき、会社の立場にもたち物事を考えることができるようになっている年代です。この年代でお荷物社員と呼ばれる人は、いわゆる出世コースからは外れているとも言える人でしょう。そんな40代のお荷物社員はどのような特徴があるのでしょう。
モチベーションが低い
40代になってくると自分がこの先昇進できるかどうか、先が見えてきます。自分の実力のなさや、周りからの評価の低さに気づき、モチベーションを維持することさえも難しくなってきます。
モチベーションの低さは人に伝わり、ひどいときには伝染するため、一緒に仕事をすることや力を入れているプロジェクトへの参加も嫌がられるため、実質お荷物社員という扱いになります。
プライドが高い
40代にもなると早く昇進した30代の上司の下につくことになる人も出てきます。今まで培ってきた技術や知識・経験を持つ40代にとって、それはプライドが傷つくことと言えます。
年下の上司だからと変に助言してみたり反抗することがあれば、その時点でお荷物社員となります。プライドの高さはお荷物社員の特徴でしょう。
手を抜く
20代・30代は良くも悪くも全力で取り組み続けて来ますが、40代に入ると手抜いてもバレないというポイントをつかむようになります。就業時間中ずっと集中し続けることができるという人は、もちろん少ないと言えます。
しかしお荷物社員と言われてしまう人は、手を抜く時間が日に日に増えていくのです。
50代のお荷物社員の特徴
50代の会社員と言えば、ベテランの余裕が見られ部下のミスをフォローできるような大人をイメージすることでしょう。残念ながら50代とはいえ、お荷物社員と言われる人もいます。この年代のお荷物者社員の特徴はどのようなものなのでしょうか。
新しいことを嫌がる
物覚えがだんだん悪くなる50代は、新しいやり方や新しい環境を嫌がります。覚えることでどんなに業務がラクになろうと、今までのやり方が安心し変えることが出来ないのです。
どんな会社でも、日々進化しよりよく使用と頑張っていくものなのですが、それを止めてしまうので、お荷物扱いをされてしまいます。
コストパフォーマンスの低さ
50代になると勤続年数が長いこともあり、給与や賞与はそれなりに高くなるのではないでしょうか。それに対し高い能力を発揮してくれているのであれば、何の問題もありません。
お荷物社員は残念ながら、コストパフォーマンスの低さが目立つ結果となっていることがあげられます。対した仕事してないのに給料だけ高いとなれば、会社にとってお荷物と言えるでしょう。
現代の働き方に合わない
働き方改革が進められ残業は短くするような流れになってきているのにもかかわらず、50代の人の中には、残業をして頑張ることが良い、誰よりも遅くまで仕事をしている人が偉いと考えており、終業時刻に近い時間に業務をふるといった行為が見られます。
残業を減らそうとする会社から見てお荷物社員と言わざるおえません。
お荷物社員への対応
実際あなたの身近にお荷物社員がいたら、どのように接しますか?きっと対応に困り、人によっては悩みストレスに感じることもあるでしょう。
どのように対応するかは相手により正解は決まっていないのかもしれませんが、対応の仕方の種類を知っておくと、悩むことを少なくすることができるのではないでしょうか。ここでは対応の仕方を紹介します。
出来そうな仕事をしてもらう
お荷物社員と言っても、会社の出社しているからには仕事をしてもらわないといけません。出来ない仕事内容をお願いすれば、周りの人の足を引っ張ることになりかねないため心配になるでしょう。
相手が確実にできる仕事を見つけ、その業務を専門として与えることで上手くいくと考えられます。
1から教えなおす
20代30代の人であれば、まだ会社勤めはこれから長いです。まだ柔軟性も亡くなっていないと考えられるので、今のうちに1から教えなおすのも間に合うのではないでしょうか。
まだ変わるチャンスがこの人にはあると感じるのであれば、大変かもしれませんが指導しなおすのも有りでしょう。
環境を変えてみる
今いる部署が合わないという可能性はありませんか?もし部署を移動させることが可能なのであれば、一度変えて様子を見るのも1つの手でしょう。
合う部署がどうしても見つからないとなってから改めて対策を講じても、遅くはないのではないでしょうか。
成功体験をさせる
何事も成功体験をし、達成感や嬉しいという感情を味わうことで、また次の業務も頑張ろうというモチベーションに繋がります。お荷物社員には成功体験がないのかもしれません。
どんなに小さいことでも良いので、成功体験ができる環境を整えてみるのも良い対応となります。
相手にしない
お荷物社員を相手にしていれば、1日にこなさなくてはいけない仕事を業務時間内に終わらせることが出来なくなります。特に繁忙期は次から次へと業務に追われる毎日です。そこにお荷物社員への対応が入れば、ストレスは溜まる一方でしょう。
忙しい時期だけでも相手をするのはやめ、仕事に集中した方が良いです。
辞めないお荷物社員を辞めさせる方法
会社が社員を解雇することは、大きな理由がない限りできず、お荷物社員だからという理由も通用できません。しかし本音を言ってしまえば、自分から辞めてもらいたいと思っている会社も少なくありません。
ではどうするのか、それは自分から辞めてもらうよう仕向けるという方法を取るのです。怖い話ですが、大なり小なり行われていると言えます。ではその方法とはどのような事なのか紹介します。
転勤
家族がいる人や持ち家を持っている人、希望を出し現在の職場に勤務する人にとって、通える範囲外への転勤は耐え難いものです。家族がいる人でも短期間であれば、単身赴任という方法を取り転勤に応じる人もいますが、多くの人が悩むのではないでしょうか。
転勤を選ぶかやりたくない仕事の部署に移るかを迫られれば、辞めたいという気持ちになるでしょう。
仕事にやりがいを持たせない
毎日誰でもできるような雑務だけを回されれば、仕事にやりがいを感じることができず、つまらない日々に感じることでしょう。自分の変わりはいくらでもいるという気持ちを強めていくことで、求められる会社を探そう行動を始めるのではないでしょうか。
ミスを誘導
あえて難しい業務を任せ、問題を起こさせるという荒っぽいやり方をする会社もあります。簡単に解雇を言い渡すことができないのであれば、懲戒解雇を言い渡せる状況を作ってしまえばよいという考えです。
ミスを誘導させるのですから、会社にもリスクが生じますが、うまくフォローできるよう準備をしておくため、損害は出ないと考えられます。
厳しい上司のもとに置く
誰もが恐れる上司はどの会社でも1人はいるものです。わざとその上司の部署に配置転換してしまうのです。
パワハラに近い言動に耐えきれず辞めてしまう人も多く、それに期待します。
置かれている立場を理解してもらう
お荷物社員であるということをはっきり伝え理解してもらいます。自分がどのような状況に置かれ、周りからどう思われているのか、どのくらいの期間でどのくらいの成長をしてもらわないと追いつけないのかを説明します。
現実をつきつけプレッシャーをかけることで、転職をすべきではないかと考え始めてもらえるよう促すことができるでしょう。
自分がお荷物社員になった時の対処法
この項目を読んでいるということは、自分がお荷物社員と言われてしまっている、またはお荷物社員の可能性があるのではないかと心配になっているのではないでしょうか。自分がお荷物社員の場合、どこを直すべきなのか具体的な原因が分かりづらいことがあります。
ここでは自分がお荷物社員になってしまった時の対処法を紹介しますので、対処する際の参考にしてください。
自分を見つめなおす
自分の悪いところはどこなのか、なぜ会社のお荷物と言われているのか、いつから言われているのかを振り返り考えることで、今の自分にできることが見えてきます。また今までの態度や仕事への姿勢を直すことは、今からでもできます。少しずつでも改善していきましょう。
第三者に聞く
自分では気が付くことができない悪いところは多くあります。第三者は客観的に見てくれるだけでなく、周りの人に本人には言いづらい意見を聞いてもらう事もできる、強い味方です。
悪いところも良いところも指摘してもらい、前向きに解決するよう進む必要があります。
異動願いを出す
今の状態が続けば、居心地が悪くなり辞めたいという気持ちが強まるのは、目に見えています。辞めるということは手っ取り早い方法ではあります。しかし仕事を辞めるということは簡単なことではなく、中には辞めるという選択肢を選ぶことができない人もいます。
辛い状態で仕事をするのであれば、異動し環境を変えてみるということも試す価値があるのではないでしょうか。
がむしゃらになる
お荷物社員と呼ばれる今よりも悪い状況になることはありません。今がチャンスと考え、何でもチャレンジしてみてはどうでしょう。今まで失敗することを恐れていたことも、今より悪くはならないと思えばチャレンジすることができます。
何に対してもがむしゃらに取り組むことで、自分自身の意識改革ができるだけでなく、周りからの見方も変わってくる可能性もあります。
辞める
お荷物社員と呼ばれることに違和感を感じる人や納得できない人もいるはずです。自分はお荷物社員じゃないし非はないと思うのであれば、自分に合わない会社を去るという選択をするのも一つです。
1度きりの人生なのですから、どう生きていくかは自分が決めるべきなのです。
お荷物社員になる可能性は誰にでもある
お荷物社員と呼ばれる人は、初めからお荷物では無かったと言えます。ただ仕事ができないというよりは、日頃の態度や行動の仕方が積み重なって多くの人から負の感情を向けられるようになったのです。
原因は自分で気が付きにくく、周りからの態度でやっとお荷物思われていることに気が付くことも少なくありません。そのため誰にでもお荷物社員になる可能性はあると言えます。
自分の仕事する姿を思い浮かべ、自分は当てはまっていないかを確認してみましょう。