「責任転嫁する人」と聞いてどんな印象を持ちますか?
「責任転嫁する人」が周囲にいると、巻き込まれやすく被害を受けることや理不尽に扱われることで気分が悪くなりますよね。
彼らはなぜ人のせいにして気持ちを晴らしているのでしょうか・・
今回は「責任転嫁する人」について、詳しく解説します。
あなたの周りにいる困った「責任転嫁する人」を思い浮かべながら読んでみて下さい。
目次
責任転嫁の意味とは
本来なら、自分が責任を負わなくてはならないのに人のせいにしてしまうことを「責任転嫁」といいます。
転嫁(てんか)という意味は「他に移す」と言う意味です。なので、責任を他に移すが合体し、「責任転嫁」という四文字熟語ができました。
ちなみに「責任転換」と間違えられやすいですが、「責任転換」という四文字熟語はないので注意しましょう。
言葉の意味として「責任転換」とは、自分が負うべき責任の方向を変えることをいいます。
責任転嫁は、自分の責任を人になすりつける卑怯な行為ということが分かります。
責任転嫁する人の特徴
あなたは自分に責任がないのに、ぬれ衣を着せられたことはありませんか?
責任転嫁する人に見られる共通の特徴は、自分のことを守るためには自分が不利になる行為は絶対にしません。
そのためにミスをしても知らん顔をするので嘘つきな人といえます。
ここでは、要注意人物といっても過言ではない「責任転嫁する人」の特徴を解説します。
非を認めないプライドの高い人
プライドが高い人は自分のミスを認めようとしません。
自分は人より上に立ちたい気持ちが強いので、認めてしまったら立場が逆転することや責められ劣等感を味わうことが嫌なのです。
職場で低評価を受けるくらいなら、あやふやな言葉で「聞いていない」と貫き通します。結局なぞは封印されてしまいますが、疑惑は残る人です。
甘やかされて育った人
子供のころから甘やかされて育った人は自分に甘い傾向があります。
一般的に1人っ子や末っ子で育った人は、子供のころきょうだいや親が代わりに謝ってくれ解決できたという経験から「何かあっても誰かが解決する」と思うようになります。
こういった環境から自分で責任を負うことが減ってしまい、甘えた性格になりやすいのです。
何か頼まれたらムスッとして時々「嫌だ」と我を出す人はわがままな人です。
わがままな人は、自分が可愛いので「責任転嫁する人」の可能性が高いです。
嘘くさい話を平気でする
会話の内容が盛りすぎて「嘘くさい」と感じる人はいませんか?
嘘をついて話を盛ることで、「スゴイ人」「物知り」と人から感心されることがあります。
ただ、普段の会話で盛って話を大きくすることは軽い嘘をついていることと同じです。
嘘くさい会話をする人は、人に対してごまかすことも平気でできる人です。
悪質セールスが、相手をごまかすのは客側に買う意思があると責任転嫁させるためです。
嘘くさい話をする人には注意しましょう。
不平・不満・愚痴が多い
自分が1番可愛くて「こんな私を傷つける人が悪い」という考えを持ち、悪いのは常に他人と考えている人です。
例えば、貧乏なのは稼ぎの悪い旦那のせい・早く結婚しろといった母親のせいといったように、自分で決めたという責任は忘れ去っているのです。
自己評価が高く心の中では「私は間違っていない」なのに「なぜこんなに不幸なの?」と他人と比べる癖があります。
愚痴や不平不満の多い人は他人が悪いと思うことが多く、満足いかない生活は他人のせいだと思っています。
かばおうとしない
相手によって態度を変えるといった特徴を持っています。
上司や取引先の人に気に入られるために、同僚や後輩を陥れる行為をすることも。
自分のミスが原因で後輩が叱られていても、かばいません。本来なら、自分が原因で責任のない人が誤解されていたら途中で止めますが一切ノータッチです。そして、責任のない人に対しても謝罪をせず「無かったこと」にします。
責任転嫁する人の性格
責任転嫁する人は自分が大事で他人に対し悪口や愚痴をよく言う人ということが分かりました。
では、なぜこのような行動をしてしまうのでしょう。「責任転嫁する人」の性質・考え方はどうなっているのでしょうか。
ここでは「責任転嫁する人」の性格について考えてみましょう。
利己的
利己的な性格とは、自分の利益だけを追及しようとするさまをいいます。
自己中心的なので相手がどうかと考えず「自分がどうしたいのか」を考える人です。
自分の利益のためには手段を選びません。
マイナスになる人とは縁を切り、プラスになる人しか付き合おうとしません。
そのため「責任転嫁する人」は、利己的な性格であるといえます。
ナルシスト
自分が大好きなナルシストの人は自己愛が強いので、ピンチになったらまず自分を守ろうとします。
失敗して平謝りするなんてみっともなくて人前ではやりたくないのも、そんな自分が嫌になってしまうからです。
なので、相手が困ろうが悩もうが知ったことじゃありません。罪悪感どころか責任逃れができたことで「良かった」と思っています。
被害者意識が強い
被害者意識の強い性格の人も責任転嫁をします。
嫌なことがあると「職場が悪い・周囲の人間が悪い」と環境のせいにします。「わたしは被害者だ」と主張するのです。
被害者意識が強い人は、過去に裏切られたことなどが原因でトラウマになっています。
また、マイナス思考なところがあり同じことをしたのに、自分だけ叱られてしまった・邪魔者扱いをされたと考えます。
自分主体で物事を考えるので、「相手がなぜそうしたのか?」を考えません。嫌なことがあると環境や周囲の人のせいにするのです。
気が弱すぎる
気が弱い性格の人は自分がミスしたことが言えず「自分の責任です」と申し出ることができません。
気が弱いので叱られることや注意されることから逃げたくなるのです。
このような人は内心「申し訳ない・・」と、自分のせいで責任を負った人に悪いことをしたと思っています。しかし気が弱すぎて行動に出せません。
気の弱い人でも、後から気になって正直にいう人は別です。しかし、このままなかったことにした場合「責任転嫁する人」といえます。
関連記事はこちら▽ なんでも自分のせいにする人の特徴や心理|自分のせいにしない方法とは
計算高い
計算高い人は自分が不利にならないように、立ち回りが早く先手を打ちます。
そのためには、あること・ないことを上司や周囲の人に告げ口をして身を固めようとします。
自分が有利になるためなら先手必勝。相手を落としてでも勝ち残ろうとします。先に上司や周囲の人に先手を打つのは「被害者は自分」であるかのように振舞うためです。
責任転嫁する人の心理
「責任転嫁する人」の姿や考え方がだんだん分かってきましたね。
ここでは、「責任転嫁する人」の心理を紹介したいと思います。「責任転嫁する人」の心の奥で思っていることは何でしょう・・。
なぜ、責任転嫁したいのか心の声を聞いてみて下さい。彼らの思考を具体的に解説します。
気の弱そうな人は自分の身代わりになってほしい
相手に謝ることは負けることだと思っています。
こうなったのは誰かのせいにしようと、気の弱そうな人を身代わりにします。「あいつは気が弱いから本当のことは言わないだろう」と勘ぐり、相手が何も言わないと「シメシメ・・」とそのまま知らん顔することも平気な人なのです。
自分は完璧だと思っている
自分の評価を下げたくないと思っています。なので、ミスをしたとき「仕事ができない人」と思われるのが不安になり責任転嫁しようとするのです。
また「自分は周囲の人より仕事ができる」と、信じているため「私が失敗するなんてありえない」と心の中で思っているのです。
現状を受け止められず誰かのせいにしたい
責任転嫁する人の心理として「人のせいにしないとやっていられない」という気持ちが隠れています。
先ほどの性格でも解説したように、「私は幸せになるべきである」と思っています。
そして実際、思うようにならないと「誰かのせいにしたい」とやっていられない気持ちになるのです。
「知らなかった」といえば逃げ切れる
ルールやマナーを守るのは面倒くさいと思っています。
目の前の信号が赤に変わりそうなとき、止まって青信号になるまで待てずコンビニの駐車場を通過しようとします。
また、自転車は歩道を走ってはいけないのに危ないからと歩道を使います。注意されると「歩道を走ることがダメとは知らなかった」と、とぼけて責任逃れをしようとします。
このように、当たり前のルールやマナーでも「知らなかった」といえば逃げ切れると思っています。
心の中では「悪かった」と思う人もいる
精神的に弱く、ミスした後の叱責や場の雰囲気に耐えられないと思っています。
過去にきつく叱られ心に大きなダメージを負ったことで、「もう、あんな思いをしたくない」と思い、本当のことが言えないのです。
嘘をついている罪悪感はあっても、防衛反応が働き何も言えなくなってしまうのです。心の中では「申し訳ない・・」といった気持ちでありながら行動には移せないのです。
責任転嫁する人が嫌われる理由
相手の気持ちを考えず自分次第で強く当たり、ストレス発散する人は好きですか?
大抵の方は「嫌い」「苦手」と感じあまり関わりたくないと思うでしょう。
ここでは「責任転嫁する人」の嫌われる理由をもう少し掘り下げて解説します。
相手の気持ちを考えないから
あまりにも思いやりがなく、自分を守ることに必死な人は信用できません。「責任転嫁する人」の人間性まで疑いたくなりますよね。
自分を守るために、相手の心を傷つけていることに気が付かず指摘すれば言い訳ばかりで反省しようともしません。
自分を有利にすることに必死で思いやりもない人とは関わりを絶ちたくなります。
チームの雰囲気が悪くなるから
チームの中に「責任転嫁する人」をする人がいたら、チームの雰囲気が悪くなりコミュニケーションに支障が出るので嫌われます。
「責任転嫁する人」は、チームの中で責任をなすりつける人を決めていて新人や同じ立場の人をターゲットにします。
そのような姿をみて、卑怯な人と感じることや「今度は自分のせいにされる」と、不安になりチームの雰囲気に影響が出やすくなります。
心の傷が癒えないのは「あいつのせいだ」と譲らない
被害者意識が高く自身の悲しみを他人のせいにし、怒りをあらわにする性格なので手がつけられません。
「私ばっかり」が口癖なので、周りにいる人は共感してなだめることしかできません。しかも、被害者意識の強い人は同情を買ってくれることを分かっているので、その手を使って力の強い人に媚びるのが上手です。
口を開けば「あいつに〇〇された」と、何年も昔のことを平気で口にするところも嫌がられます。
愚痴を聞いてくれた人まで「悪口仲間」にする
責任転嫁する人は愚痴をよくいうと先ほど解説しました。
なぜかというと、身近な人に愚痴・不平不満をいえば大抵「うん、そうだよね」と悪いのは相手だと同調してくれ気持ちがスッキリするからです。
癖の悪い「責任転嫁する人」は、あなたの「うん、そうだよね」を一緒になって悪口を言った仲間にします。
すると、いつの間にか「責任転嫁する人」から「あなたも悪口言ってた人」にされるのです。
そのようなことを平気で言えるところが信用をなくし嫌われるのです。
理不尽だから
相手に責任を押しつけることでストレス解消をする人がいます。
自分よりも立場の低い人は自分に対して無抵抗ですし、何か主張してもねじ伏せられる力を持っています。
気分によって強く叱責することもストレス発散している可能性があります。
自分の力で弱い立場の人に「責任転嫁する人」は、理不尽と感じさせるため嫌われます。
仕事で責任転嫁する人への対処法
職場に「責任転嫁する人」がいたら、避けて通ることができずつらいですよね。
自分に非はないと思い込んでいることや、責任を負うこと自体面倒な人なので、仕事でいい案があっても提案しにくく仕事しづらいと感じる人も多いでしょう。
ここでは、関わりをなくすことができない仕事関係の人に「責任転嫁する人」がいた場合の対処法があるので参考にしてみて下さい。
上司にきちんと相談する
職場に「責任転嫁する人」がいて困っている場合は、上司に相談し助けてもらいましょう。
同じ部署同士の場合、先手を打たれているかもしれませんが「責任転嫁する人」はあることないことまで言い話が盛られていることもあります。
先手を打たれていても、誤解を解くことにも繋がります。上司と、きちんと膝を向き合わせる時間を作って貰いましょう。
口頭だけの連絡も証拠を残す
業務連絡は活字が残るメールで行いましょう。「責任転嫁する人」へ送るときは、少しでも関係する人をCCに入れて、多くの人の目に触れるようにします。
なので、面倒でも口頭だけで伝えないようにしましょう。
「責任転嫁する人」から口頭のみで指示があっても、「先ほど指示のあった〇〇の件ですが・・」と指示のあったことを周知させるため、同じ部署や上司にCCを付けて「責任転嫁する人」へ、メールをしましょう。
このように、小さなことでも「証拠に残し保存する」ことが大事です。
理路整然と間違っていることを主張する
対等な立場の場合、あなたの意見を主張することをお勧めします。
あきらかに濡れ衣を着せられ「おかしい」と感じたら、冷静に筋道を立てて反論しましょう。
その場合、理由や根拠をいれて理路整然と話します。あなたの主張が根拠と通じるように、頭の中で整理してから主張して下さい。
関連記事はこちら▽ 理路整然と話す人の特徴や心理|理路整然とした話し方をするには
迷惑をかけないと「自分で責任を負う」覚悟を見せる
何かにチャレンジしたいと思って上司に打診したところ、「前例がないからなぁ・・いいと思うけど責任取れないしなぁ・・」といって前に進むことを拒む保守的な上司への方法です。
残念ながら、TVの主人公のような「責任は俺が持つ、おもいっきりやってこい」という上司はなかなかいません。
そして前例がないと思っているだけで実際あるかもしれません。前例や似たような例を見つけることで、保守的な上司も納得してくれるでしょう。
どうしても納得しない場合は「自分で責任を持つ・迷惑をかけない」ことを約束することが大事です。
社内相談窓口・外部機関へ相談
上司が「責任転嫁する人」の場合、部下であるあなたが我慢をすることになり、上司の責任を擦り付けられたとなれば立派なパワハラです。
上司に相談できない場合、会社の社内相談窓口や人事部があるところはそちらを利用してみましょう。
会社に相談窓口がない人は、外部機関への相談ができます。インターネットで検索すると、相談までの流れが詳しく書かれているので参考にして下さい。
責任転嫁する人の末路
悪い結果の責任はすべて「他人のせい」にする人は、悲惨な末路が待っていることをご存じでしょうか?
「責任転嫁する人」は、他人のせいにすることで気持ちを安定させています。そしてまた同じように嫌なことがあると、受け入れられずまた人のせいにします。
そんなことを繰り返していれば、いつまでも不平・不満が解消できず結果自分の首を絞めることになり「悲しみは自分」に戻ってきます。
そして他人を犠牲にした人は、周囲から背を向けられいつしか孤独に嘆き苦しむといいます。
責任転嫁しつづけた人にはどんなことが待ち受けているでしょうか?これから詳しく紹介します。
大切な人が周りから居なくなる
「あわれなり 人去りて知る 身の不徳」という言葉があります。
この言葉は、大切な人が去って初めて気が付き孤独に悲しみ後悔しているさまを表しています。
自分が大事でミスや悲しみを相手のせいにして不平不満を口にしていた結果、気が付いたら周りに人が居なくなってしまったという言葉の意味です。
「責任転嫁する人」の未来を物語っているようですね。
いつまでも成長をしない
自分が思うようにならないのは「他人のせい」と思う人は、当たり前ですが自分に責任があると考えません。
例えば、太ってしまったのを仕事のストレスのせいにする人がいたとします。はたして、仕事をしなかったら本当に太らなかったのでしょうか?
このように、思うようにならなかったことを環境・社会の責任にする人はいつまでも変わることができませんし成長もしません。
熟年離婚
家族とうまくいっていない人・夫婦仲が悪いのは根底に「責任転嫁する性格」であることが原因です。
しかし本人は自分には責任がないと思っており、こうなったのは相手のせいと決めつけます。
家の中では「自分が正しい」と、相手の意見を聞き入れない家族がいると自分を否定された気分になります。
そのうち愛情も冷めていき、夫婦仲も悪くなります。最悪な場合、愛情が冷め離婚まで発展する可能性があります。
転職しても「人間関係」に苦しむ
自分のことばかりしか考えない人には、同じように自分のことしか考えない似たタイプの人が集まってきます。
「責任転嫁する人」は自分に非があると考えないことから「自分を変えよう」という意識がありません。
どの職場に行っても「教え方の悪い先輩が悪い」「新人だから嫌な仕事ばかり押し付ける店長が悪い」と、早々に「変な会社」と見切りをつけようとします。
相手のせいにばかりしている人は、どの職場でも人間関係に苦しみやすいのです。
心の友ができにくく友情が進展しにくい
「責任転嫁する人」は孤独になりやすい人ということが分かりますね。
他人から疎まれやすく距離を置かれてしまいます。
また、知り合ったと思ったら同じように「自己愛」が強く「人の話を聞こうとしない」癖の強い人を引き寄せてしまうでしょう。
最終的に「嫌い」と思う人ばかり寄ってくるので「ろくな人がいやしない」と友情が進展しにくいのです。
人のことを認めず責任転嫁する人は、心の友ができにくく家族からも見放されやすい「損」な人といえます。
「責任転嫁する人」は自己満足度が低い人
いかがだったでしょうか。
思うようにいかないとき、他人のせいにすれば「自分は間違っていない」と思えて気持ちは楽になれるでしょう。
しかし、現実を冷静に見つめると「自分が悪かった」ということに気がつく人もいます。
「責任転嫁する人」には相手から認めて欲しい気持ちが強く、自己満足になりにくいことが原因で「相手のせい」にしがちなのかと考えました。
「責任転嫁する人」にならないためには、承認欲求を抑え自己満足度を増やすことで改善に繋がるかもしれません。
「自分の中の意識」を変えること・受け入れることで未来は変わっていくでしょう。