人間関係を築いていく中で、自分と違う価値観や意見を持っている人と出会うことは少なくありません。
むしろそちらの方が多いくらいでしょう。
しかし中には自分の意見が正しい、他の意見は全て間違っていると考えてしまう人もいるようです。
こういった人は、自分以外の価値観や意見になかなか歩み寄ることができません。
今回は歩み寄れない人とはどのような人なのか、歩み寄りがない人の心理や特徴、そしてなぜ歩み寄りが大切なのかについて、ご紹介します。
目次
歩み寄れない人の意味とは
歩み寄れない人とは、自分以外の人の価値観・意見を否定し、受け止めることが出来ない人です。
歩み寄れない人は、「自分が正しい」「あの人は間違っている」というように価値観や意見に優劣を付けてしまい、他人を認めることができません。
相手と自分の違いを認められず、「なぜそんな間違った考え方をしているのか?」と苛立ち、自分が思う正しい意見を相手に押し付けようとしてきます。
強い信念を持っていると言えばカッコよく聞こえますが、柔軟に物事を考えることができない、頑固な人という印象を持たれることもあるはずです。
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歩み寄りがない人の心理
世の中には人の数だけ価値観や意見があるのですから、自分と全く同じ価値観の人に出会う方が難しいくらいです。
多様な価値観が尊重されるこの時代に、なぜ他人に歩み寄ることが出来ない人が出てきてしまうのでしょうか。
今回は、歩み寄りがない人の心理をご紹介します。
物事を優劣で考える
人の価値観や意見に優劣はありません。
しかし他人に歩み寄る気がない人というのは、何事にも優劣や勝ち負けがあると考えています。
そして当然自分が正しく、相手が間違っていると考えています。
相手の意見を理解しようという努力はなく、一方的に切り捨てることもあるでしょう。
責任感が強すぎる
責任感が非常に強く、何事にも妥協できない人がいます。
どんな事も完璧にこなさなければいけないという強いプレッシャーを常に感じており、ほどほどの出来栄えに歩み寄りたくないと考えています。
自分だけならいいですが、周囲にも妥協を許さない完璧主義の場合もあるので、注意が必要です。
相手を見下している
自分の方が偉い、地位が高い、そう思って他人を見下している人は、相手に歩み寄る気が全くないでしょう。
他人の意見を聞き入れたり、そこから何かを学ぼうという気もさらさらありません。
自分が認めた相手でなければ、話を聞く必要もないと考えているのです。
理想が高すぎる
高すぎる理想を掲げている人は、他人に歩み寄れない傾向があります。
理想に近づくために日々努力をしているのでしょうが、その理想を相手にも押し付けてしまうのです。
人は人、自分は自分と考えることができず、自分の理想が全てだと思い込んでしまいます。
相手の気持ちを察することができない
相手の気持ちを察することが苦手な人は、同じように歩み寄ることも苦手としています。
女性は相手の表情や仕草から、気持ちを察することが得意な人が多いと言われています。
一方で男性は、相手の気持ちを察することが苦手です。
恋人同士や夫婦間では、相手に歩み寄れない男性が多いのではないでしょうか。
自分から歩み寄れない人の特徴
人間関係を良好に保つためには、歩み寄りは非常に大切です。
ところが自分からは一向に歩み寄らず、相手にばかり歩み寄りを要求する人も中には存在します。
自分から歩み寄らない人には、いったいどのような特徴があるのでしょうか。
価値観を相手に押し付ける
どんなに親しい間柄でも、価値観や意見は人それぞれです。
しかし相手に歩み寄ろうとしない人は、自分の価値観を相手に押し付けてしまう傾向があります。
本来価値観に正しいも正しくないもありませんが、自分から歩み寄れない人は自分の価値観こそ正しいと考え、それを相手にも無理強いしてしまうのです。
相手に甘えている
歩み寄りは片方がやっても意味をなしません。
ところが親しい間柄であればあるほど、「自分から歩み寄らなくても、相手は自分のことを分かってくれているだろう」という甘えが生じてしまいます。
相手が自分に合わせるのが当たり前だと考えており、相手が歩み寄ることを期待しています。
問題にきちんと向き合わない
自分から歩み寄ろうとしない人の多くは、起こっている問題に対してきちんと向き合おうとしません。
意見の食い違いがあったとしても自分の言い分ばかり主張し、相手の話には耳を傾けようとしないのです。
話し合いが出来なければ、良い関係もいずれは壊れてしまうでしょう。
相手の意見を否定する
自分から歩み寄ることができない人の多くは、自分と違う価値観や意見に触れた時、まずは否定から入ります。
「相手がどう思っているか」よりも、自分の都合や自分の心地よさを優先させます。
自分の軸でしか物事を考えられず、そこからはみ出ているものは否定し、認めようとはしません。
真面目すぎる
責任感が強く物事になかなか妥協できない生真面目な人は、そのプライドが邪魔をして、人に歩み寄ることがなかなかできません。
真面目すぎると「~しなければいけない」という思い込みが強すぎて、1つの意見や価値観に固執してしまいます。
信念があるとも言えますが、視野が狭まり自分の成長を阻害する要因にもなりかねません。
自分から歩み寄る気持ち・姿勢が大切な理由
複数の人間が集まれば、そこに意見の食い違いが発生することは当然です。
ただしその食い違いをそのままにしておけば、話は一向にまとまりません。
そんな時は、自分から相手に歩み寄る気持ちや姿勢が必要です。
良好な人間関係を築いていく上で、相手に歩み寄る気持ちや姿勢はなぜ大切なのでしょうか。
生産性がアップする
相手を否定せずに歩み寄ることが出来れば、自ずと良好なコミュニケーションが取れます。
例えば上司が今まで以上に自分から部下に歩み寄ろうと意識すれば、部下もそれを感じ取り、自分も上司の期待に応えたいと奮起することでしょう。
良質なコミュニケーションは、仕事の生産性アップに大いに役立ちます。
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場の雰囲気が良くなる
お互いに自分の意見を曲げられず、気まずい雰囲気になってしまった経験は誰にでもあるでしょう。
そんな時、まずは自分から歩み寄る努力を見せることで、一気に場の雰囲気が良くなることがあります。
最初にあなたが歩み寄ってくれた姿を見て、相手もあなたに歩み寄ろうという気持ちになるはずです。
信頼関係が生まれる
自分から歩み寄れる人は、相手の立場を尊重し、認めることができる人です。
自分を認めてくれる相手に人は心を開き、相手のことも認めようと考えるでしょう。
そこから信頼関係が生まれるのです。
自分を認めてくれない人を信頼する人はいません。
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視野が広がる
意見のすれ違いや価値観の違いが原因で、親しい人と仲違いしてしまうことがあります。
そんな時は、まず自分から一歩相手に歩み寄ることです。
今まで自分にはなかった価値観に触れることで狭まっていた視野が広がり、学びを得るチャンスになるはずです。
自分が変われば相手も変わる
意見の対立があった時、どちらも譲らなければ永遠に対立したままです。
「相手がこちらに歩み寄るべき」と考えているなら、おそらく相手側もそう思っているでしょう。
相手に変化を求めるならば、まずは自分が変化するしかありません。
勇気がいるでしょうが、その分得られる効果も非常に大きいはずです。
歩み寄り方が分からない人の改善方法
頭では歩み寄りが大切だと分かっていても、なかなか行動に移せない人が多いでしょう。
いきなりは難しいかもしれませんが、いくつかのポイントを意識すれば、徐々に歩み寄ることが苦ではなくなるはずです。
ここでは歩み寄り方が分からない人の改善方法をご紹介します。
考え方は人それぞれだと思う
考え方は違って当たり前です。
それを無理に変えようとしたり、自分には理解できないからと言って否定するから衝突してしまいます。
特に親しい間柄の場合、相手に理解されて当たり前だと思いがちです。
例え理解できないことがあっても、歩み寄る努力を見せることで、人間関係が良好になっていくものです。
自分の意見をきちんと伝える
歩み寄ることは、自分の意見を曲げてまで相手に合わせることではありません。
相手の意見を受け止めるためにも、まずは自分の意見をきちんと伝えることが大切です。
お互いに意見を受け止め合い、お互いに歩み寄ることで、関係はより強固になっていくのです。
相手の意見を否定しない
歩み寄ることができない人の多くは、とにかく自分と違う考えには否定から入ります。
人は自分が1番正しいと考えがちですが、まずは否定せずに受け止めてみましょう。
受け入れることができなくても、「そういう考え方もあるんだな」くらいの軽い気持ちで聞いてみて下さい。
共感できるポイントを1つでも見つける
総合的に相手の意見を判断するのではなく、まずは自分が共感できるポイントを1つでも見つけることを意識してみて下さい。
「あいつの言い方が気に食わない」のように、余計な感情が邪魔をして、歩み寄りの気持ちが持てなくなってしまうこともあるからです。
意見の本質をとらえることができれば、歩み寄ることは案外難しくないと気が付くかもしれません。
考え方の背景を意識する
一見違う考え方のように見えていても、実は根底の考え方や想いは一致している、というパターンがあります。
表面的な考え方だけではなく、なぜそういう考えに至ったのかという背景を知ることで共通点が見つかるかもしれません。
共通点が見つかれば互いに歩み寄ることができ、友好な関係を結べるはずです。
良好な人間関係を作る上で、歩み寄りは必要不可欠な存在
自分から歩み寄ることが苦手だと感じる人の多くは、「歩み寄るなんて何だか負けたみたいだ」「自分から妥協しているみたいだ」と思っているのではないでしょうか。
本当の歩み寄りとは、自分だけが相手に合わせることではありません。
一方方向ではないのです。
だからこそまずは自分から動くことが必要で、そこから相手の信頼を得て、円滑なコミュニケーションを図ることができるのです。